松方弘樹、その規格外の生き様 〜酒豪伝説、女性関係、釣り…

さらば、最後の映画スター!
週刊現代 プロフィール
Photo by iStock

人のためにカネを使う

東映で同期だった悪役俳優・志賀勝も言う。

「同じ年に二人とも東映に入ったんやけど、俺は通行人役から始まって、松方さんは主役。それでも、どんな偉い人に紹介するときも俺のことを『同期の桜です』と言ってくれた。

どんなに偉くなっても、飲みに連れて行ってくれた。人情深いんだよ。打ち上げの飲み代も自腹で全部払う。石原裕次郎、萬屋錦之介、勝新太郎を松方さんも真似していたのかな。あんな豪快な飲み方をするのは、松方さんが最後やな。また一緒に飲みたいよ」

'91年に松方がプロデュースした映画『首領になった男』がヒットした際のエピソードは有名だ。

「お世話になったスポンサーやその家族を連れて、加賀に2泊3日の旅行に行って大豪遊。1000万円持っていったのに、30万円しか残らなかった。松方さんは儲けるだけじゃなく、スポンサーの方が喜んでくれて、次の映画にも協力してくれることが何よりも大事だと考えていました」(元映画会社スタッフ)

松方の酒豪伝説は、枚挙に暇がない。

「『遠山の金さん』の撮影終わりにスタッフら20人ほど連れて、祇園を3~4軒ハシゴする。途中の路上でファンの人に『松方さん、応援しています』なんて声をかけられると『一緒に行こう!』って次の店に連れていってしまう。

最終的には70人ほどになっていました。支払いは『おカネは持っている奴が払えばいいんだよ』って言って、松方さんが全部済ませていましたね」(前出・スタッフ)

「連ドラの時代劇の撮影の際、1クールで5回打ち上げをやりました。毎回、松方さんの持ち出し。スタッフら50人以上が撮影所からバスでしゃぶしゃぶ屋に移動して、ドンチャン騒ぎをしましたね」(芸能事務所関係者)

松方自身の酒量も尋常ではなかった。

「松方さんが役者仲間と飲むときは一人ヘネシー1本が決まりです。松方さんは一晩で2本空けてました」(映画会社関係者)

松方は自身の最高記録を「ウイスキー5本に日本酒1升」と語っている。

 

役者としては天才

女性関係も華やかだった。2度の離婚歴があり、3人の女性との間に6人の子どもがいる。

前出の千葉真一も苦笑する。

「女性なら誰でもいいって言ってたからな、見境のないところはちょっとあったかも。弘樹の愛人が、俺のところに相談にきたことがあったな。『弘樹を恨んじゃダメだよ。彼は大スターで、あんたもそういう覚悟があって弘樹に抱かれたんだろ』って言ってあげたこともありました(笑)」

松方は32歳のときには、週刊誌のインタビューでこう発言して物議を醸した。

「女を何人知ってるかっていうと八百人にちょっと欠けるかな。だって年に三百人なんて頃もあった。オレ、丈夫なのよ」

「女優では、いまは人妻になった美人女優だろ。若い女優は数えきれないよ。歌手じゃ、歌謡界の女王といわれているひと。それから若いもんにいま人気がある中年歌手。五十人はいるよ。みんな、キレイに遊んで、キレイに別れたよ」

その直後に別のインタビューでは「あれはウソ、七百人だった」とユーモアたっぷりに弁明している。