関東とはスケールが違う!「関西の大金持ち」はこんなにおもろいで

歴史的風土が生んだエネルギー
週刊現代 プロフィール

叔母に5億持っていかれた

いくら稼いでも、金持ちなら誰でもいずれは直面しなければならない問題がある。相続だ。

大阪府南部の住宅街で、名家として300坪を超える自宅とマンションを6棟保有する不動産会社取締役のT氏が嘆き、ぼやく。

「私は祖父から後継者として財産を受け継ぎました。祖父が亡くなる直前に、祖父の養子となったんです。私の義兄となった父は相続上、何も引き継いでいません。相続税対策で一世代飛ばして、私が引き継いだということです。もちろん父も納得ずくの話ですよ。

死後、開封した祖父の遺言書には、約15億円相当の財産の9割を私に、残りを他の子供で分けるように、とありました。問題はそこからです。父の妹2人がこれに不服を申し立て、烈火のごとく怒り出した。

それまでは私にとってすごく優しいおばちゃんたちだったのに、おカネを前にするとあれだけ人間が変わり、がめつくなるんだと恐ろしくなりましたよ。結局、叔母たちは裁判所に持ち込み、5億円程度あった現金をすべて持っていきました。私は現金に替えられない自宅や不動産などの固定資産だけを相続することになりました。

その後、親戚の葬儀などでまれに顔を合わせることもありますが、一言も言葉は交わしませんし、顔も見たくない。それまでは仲が良かったのですから、相続が生んだ悲劇ですわな」

相続時に財産を分割していくと、資産は次第に散逸していく。一人に集中させることは商家の知恵だが、T氏のケースのように、骨肉の争いになることは少なくない。
T氏が再びぼやく。

「悲劇と言えば、もう一つありますわ。私には弟がいるのですが、彼にはまったく遺産が巡ってきません。ある意味で家に縛られず自由にできるから、私にしてみれば羨ましく思えるのですが、彼の嫁はそうは思っていなかった。

遺産を得られないことを知ったとき、嫁はかなりショックを受けていたといいます。それ以来、私の両親と弟の嫁の関係は悪い。

私自身の結婚も大変でした。カネ目当てで近づいてくるのがわんさかおった。いくら美人でも、そんなんは嫌ですわな。結局、私は似たような家柄のお嬢さんを嫁にもらって、私の両親との関係も良好です。

そうすると、両親も弟の嫁と比べてしまいます。それで当然、弟の嫁はうちの嫁と仲が悪くなる。たまたま子供同士が同い年で、来年小学校に入るのですが、同じ学校になるのは嫌だということで、向こうが別の学区に引っ越すことになっています。

私は自分の家を守り抜くことが長男の使命と考えていますが、実際のところ、何も相続しなかったほうが幸せやったんやないかって、たまに考えますよ。まだウチの子供は小さいですが、いずれまた相続のことを考えないといけません。今からため息もんですわ」

 

資産を受け継いだことで縛られる人間もいれば、自ら莫大な資産を築いて散財した末に「すっかり足を洗った」と豪語する富豪もいる。

日本でのポーカー普及を手がける『ポーカージャパン』の株主で、自らもポーカープレイヤーとして世界中を飛び回るS氏だ。

S氏は中学校卒業後、生活費を稼ぐために、様々な商売に従事。人材派遣会社や携帯電話ショップを複数経営し、ソフトウェアの納入などで資金を稼ぎ、さらには大手企業の大株主となって、売却益で十数億円の現金を手にしたという。

派手に稼いだためか、脱税で逮捕されたことをきっかけに今は経営の立場から退き、いくつかの会社の株主に収まった。

「人が望むことは一通り経験したと思います。北新地に毎晩のように出かけ、クラブで高級シャンパンやワインを次々と空けたものです。毎月、飲み代は500万~1000万円。最終的に北新地の超有名店に2億円投資して、経営まで手がけました。

でも、自分で経営してみて、クラブの裏側がわかってしまった。客の前と『素』のホステスのギャップがいかにすごいか(笑)。だから、クラブ遊びからはきれいサッパリ足を洗いました。

ルイ・ヴィトンやエルメスのファッションショーにもVIPとして招かれ、著名人や有名人と食事をする機会もよくありましたね。自家用車もフェラーリ456やロールス・ロイスのファントム、ランボルギーニのガヤルド、ベントレー・コンチネンタルGTなど有名なものにはほとんど乗りました。

結局、今の車はアルファード・ロイヤルラウンジ。疲れたら車内で寝られるほど広いし、後部座席でパソコンを叩いて仕事もできる。一通り試して、自分は見栄っ張りではないという確信を得たんです。モノで虚栄心を満たしても、自分が寂しくなるばかり。心は物では満たされなかったんです」