関東とはスケールが違う!「関西の大金持ち」はこんなにおもろいで

歴史的風土が生んだエネルギー
週刊現代 プロフィール

多忙な毎日を送る中、自分へのご褒美は時計だという。フランクミュラーをはじめ、これまでに買った時計は2000万円分に達する。大阪・江坂にある自社ビルをキャッシュで購入したが、これは女性支援を念頭においたものだ。

「女性の従業員が働きやすい環境を考えて設計したんです」

そんな伊與田氏も一時期、日々の生活にも困るほど、困窮した経験があるという。

「27歳で結婚、28歳で出産したものの、31歳で離婚をして人生がガラリと変貌しました」

OLを経て、フラワーデザイナーとして起業するも、待機児童の問題に頭を悩ませた。認可外の保育所に稼いだおカネのすべてを吸い取られる日々。

「ジュースを飲みたい」と言う娘に缶ジュース1本買ってあげることさえできず、ワーキングプアだったという。

「正直、死のうと思ったこともあります。でも、死ぬ気になれば何でもできる。『人が嫌がる仕事でもなんでもやろう』。考えを改めて自分が変わったら、周りが変わった。思考が現実を作るんです」

この開き直りこそが、関西人の真骨頂。余談だが、大阪府の自殺率(人口10万人あたり)は全国でもっとも低い('15年、警察庁発表)。

伊與田氏が開き直ったそんな時、ある人物と出会った。エステサロンなどの経営者で、伊與田氏を誘ったのだ。彼女はエステも始めたが、ちょっとした不満があった。

エステでは他人に施術するため、大好きなネイルができなくなる。つけ爪もあったが、すぐに外れたり、手間がかかったりと問題が多い。伊與田氏はここにビジネスチャンスを見出した。

 

「私が開発した『ジュネル』は、取り外し可能なチップネイルです。アクセサリーと同じようにTPOに合わせてチェンジできますし、仕事に支障があれば、取り外しておくことも可能です。

それでいて、いったんつければ取れにくい。開発には3年半かけて、'15年6月にグランドオープンすると、爆発的にヒットしました。年商数十億円が視野に入っています」

グランドオープンの際に行われたパーティーには、グッチ創業家のフィリッポ・グッチ氏も招かれた。彼は、「イタリアで売れば、ヒットする。イタリアでのビジネスを手伝ってほしい」と、真剣に語ったという。

「海外からのオファーも殺到中です。ニューヨークやドバイ、マレーシア、インドネシア、シンガポールなどでの展示会を通じて世界にも広まり、海外展開も視野に入れています。ドバイの女性王族からは『パーティーでジュネルを着けていると、それを見たみんなが欲しがる』と聞きました。

おかげさまでジュネル開業以来、次々と大きな買い物をしてワーキングプアだった生活は劇的に変わりましたが、実は忙しすぎてまったく休みが取れないんです。働き詰めなのは、昔とあまり変わりませんね(苦笑)」

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豚の餌を食べた子供時代

もう一人、極貧から成り上がり、一財産を築いた大阪の女社長を紹介しよう。バウムクーヘンが人気のカウカウフードシステム会長、川村信子氏(65歳)、通称「マダムシンコ」だ。

自宅は兵庫県西宮市の甲山(かぶとやま)山麓にあり、大阪湾まで見下ろす絶景の高台にある。600坪の広さで5億円。だが、ここにたどり着くまでは紆余曲折があった。