大晦日「ガキ使SP」圧勝でわかった3冠・日本テレビの「企画力」

斎藤工、松下由樹らが舞台ウラを明かす
週刊現代 プロフィール

これぞテレビの力

日テレの企画力の強さの理由とは何か? 加藤幸二郎制作局長が語る。

「伝統的に『番組は個人のものではない』という考えがあります。スタッフだけのものでも、タレントさんだけのものでもなくて、みんなのためのもの。お客さんが減ってきたら演出家を換えることも、作り自体を変えてしまう場合もあります。お客さんに喜んでいただけるんだったら、そこは躊躇しません。

また、他局に比べキャスティングだけに頼らず、企画で勝負するという伝統があります。もちろん、ビッグなタレントさんたちにも協力していただくのですが、それだけではなく、ブレイク前の若手タレントさん、たとえば、りゅうちぇるさんであるとか、ほとんど無名だった人たちを抜擢する。

まだ駆け出しの人たちの面白さを引き出すには手間もかかりますが、時間のかかるロケのオファーにも応じていただける。日本テレビは失敗を恐れずに、それをコツコツとやってきた風土はあると思います」

『ガキ使SP』には、その手間を惜しまない伝統が凝縮されている。

「あれだけ大規模なものを、一切止めずに撮影するノウハウは、先人たちが蓄積したもので、これが途切れるとまた作れるかはわかりません。出演者の方がスタッフを信頼してくださっているところも積み重ねが大きい。

大晦日に『くだらないけど面白い』番組を作れるということは、日本の社会が幸せである証しです。『ガキ使SP』ではお尻を出したりする場面もありますが、みんなが不快にならず、楽しく笑えるものであれば出してもいいと思います。

そうしなければ、通常番組の表現の幅をどんどん狭めていくことにもなる。いまテレビから離れている方たちに、『やっぱりテレビは面白い』と言われるようにならなくてはいけないという自覚は凄くありますね。勝負はそこだと思っています」

日テレの独走は今年も続きそうだ。

「週刊現代」2016年1月28日号より