大晦日「ガキ使SP」圧勝でわかった3冠・日本テレビの「企画力」

斎藤工、松下由樹らが舞台ウラを明かす
週刊現代 プロフィール

実績と知名度のある俳優が全力でくだらないパフォーマンスをする。面白いのは当然だ。逆に言えば一流俳優でなければ、NGが絶対に許されない状況で完璧に演じ切ることなど不可能だろう。

女優・松下由樹はブーブークッションに引っかかる役で登場。何度も座ったり立ったりして、「リプレイ映像」まで自分で演じた。

「真剣に真面目にやることが面白さに繋がると、今までのお仕事を通して教わってきました。皆さんがどんなリアクションをしているのかわかってなく演じていましたので、終わった後は、面白かったのかな……と正直心配でしたが、放送で初めて皆さんのリアクションを見て少しホッとしました。

改めて人気の高さを感じたのは、番組のことを周囲の皆さんが力説してくれることや、年末のリアルタイムで楽しんで、またお正月に録画をゆっくり観るという方が多く、役者仲間でも同じような声を聞きました」(松下)

 

一流プロが真面目に取り組むからこそ

番組のエンディングでは石井竜也が、米米CLUBの290万枚の大ヒット曲『君がいるだけで』を原曲の歌詞が微塵も残っていない替え歌にして熱唱。一流アーティストはどんな気持ちで歌ったのか。石井が振り返る。

「国民的楽曲になった『君がいるだけで』をぶっ壊したいとは以前から思っていました。ただ、それを他人にやられるのはイヤなわけ。だから自分で破壊できたことはとてつもなく良いチャンスをもらったと思います。

最初はちょっとふざけて歌ったりしました。そうしたらスタッフの方に『すみません、真面目に歌ってください』と言われちゃいました。本当に真剣なんだなと思いましたよ。あの歌はけっこう格好つけて歌ってるでしょ。だからこそ逆に笑えるらしいんですよね。さすが笑いを追求するスタッフさんたちだなと。

自分の歌を放送で見て腹抱えて笑ったのも初めてですもん。企画書はペライチで『君がいるだけで』の替え歌をお願いします、という簡単なものだったと思います。歌詞も当日に渡されて、内容には『なにも聞かないでください』って言うんです(笑)。場面がわかったうえだと歌う前に興ざめしちゃうからでしょうね」

『ガキ使』スタッフが周到に考えた台本を、一流プロが大マジメに取り組み、さらに時間と人をかけて撮影が行われる。

日本テレビの担当者によると、同番組の撮影に使われたカメラの台数は計270台。そのうち小型CCDカメラが230台で、東京中のレンタル業者から小型カメラがなくなると言われている。

出演者はエキストラを含めると、約170人。スタッフの人数は約400名で、9月から約20回の会議を繰り返した。撮影は埼玉県狭山市の廃校にてロケを行い、セッティングから撤収まで1週間ほどかかったという。

同番組の森實陽三チーフプロデューサーが語る。

「いまの地上波では最大級のバラエティだと思います。ただ、コアのスタッフはそれほど多くありません。非常に少ないスタッフが沢山の人員に指示しているかたちです。

この番組は撮り直しがなく、舞台の一発勝負みたいなところがあります。通常のテレビの感覚とは違う特殊な空間のなかで、レギュラーメンバーを笑わせる真剣勝負が行われるので、出演者の方にも評価していただけるのかもしれません」

『ガキ使SP』で他の民放を圧倒した日テレは、'16年の年間視聴率も全日、ゴールデン、プライムタイムで3冠王に輝いた。勝因の一つは、『笑点』『ザ!腕!DASH!!』『世界の果てまでイッテQ!』など、家族で楽しめるレギュラーのバラエティ番組が好調なためだ。