ハチイチ世代の旗手・山口絵理子が愛され続ける理由

新たな挑戦で見えた強さの秘密
山口 絵理子

─なぜインドネシアのジョグジャカルタなのでしょうか。

インドネシアの線細工とスリランカの石でつくったジュエリー

山口:インドネシアを最初に訪れたのは、ジャカルタで行われた「世界経済フォーラム」のアジア地域会議に招待されたからでした。会議の合間にジャカルタの街に出てインドネシアの伝統工芸やモノ作りをしている場所がないか探して歩いたのですが、そのときは、これだ、というものには出会えませんでした。

いつか首都ジャカルタからでは見えない、経済発展の裏側やモノ作りの現場を見てみたい、そして本当の意味でこの国が誇れる「Best of Indonesia」が作れたら、と思って帰国しました。

その後検索サイトを通じて、インドネシアの伝統工芸であるバティック染め(ロウケツ染め)のサンプルをオーダーしてみました。日本に届いた生地を見て、それを作った職人の方に会ってみたいと思い、現地に行ってみようと思いました。そこがジョグジャカルタだったのです。

現地在住の日本人の方にコーディネーターをお願いし、その職人さんに会うとともに、さまざまな工房を見て歩きました。そんなとき出会ったがフィリグリー(2本の細い線をねじって作る銀細工)でした。

バティック染めに興味があってジョグジャカルタまで来たわけですが、あの染め方はこの地域特有というよりアジア特有のもので、スリランカでもタイでも見たことがありました。だから本当にオリジナリティがあるのだろうか、という疑問が少し残っていたのです。

一方、フィリグリーはそれまで見たことがなく、オランダの人たちによって伝えられ、ジョグジャカルタの伝統工芸として受け継がれてきたと知って、こちらのほうにオリジナリティを感じました。

スリランカの採掘現場にて、コワモテのおじさんと

さらに、コーディネーターの方が芸大の彫金卒だと知ります。私は人との出会いが仕事を作ると信じています。こうしたことに縁も感じ、フィリグリーを生かしたジュエリーを作ろうと決めたのです。

この新たな挑戦の物語は、こちらの本でお楽しみください。

再びはじまる新しい途上国での挑戦。不格好な珍道中が教えてくれる。夢の道の歩き方がここにある(amazonはこちらから
やまぐち・えりこ 1981年埼玉県生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業、バングラデシュBRAC大学院開発学部修士課程修了。大学のインターン時代、ワシントン国際機関で途上国援助の矛盾を感じ、当時アジア最貧国バングラデシュに渡り日本人初の大学院生になる。24歳で起業を決意。「途上国から世界に通用するブランドをつくる」という理念を掲げ、株式会社マザーハウスを設立。バングラデシュ、ネパール、インドネシアの自社工場・工房でジュート(麻)やレザーのバッグ、ストール、ジュエリーなどのデザイン・生産を行っている。 ●ジュエリーマザーハウス http://www.mother-house.jp/jewelry/