美人AV女優と呼ばれた女の絶望的な「その後」

リスカ、アル中…かける言葉が見つからない
中村 淳彦 プロフィール

「ずっと一緒」という言葉が不気味に響く。女性の路上生活者は少ないが、彼女のように男の部屋に居候することで踏みとどまるケースも多い。モテない男の寂しさは根深く、彼女のような人でも拾う男が存在する。

アル中だけでなく、いくつかの精神疾患を抱えている。サラリーマンの彼氏が出勤や用事で自宅から離れようとすると、リストカットをする。リスカと逆ギレは日常で、割れたテレビも暴れたときに破壊した。なにもかもが、狂っていた。

「彼氏はさ、別に男だったら誰でもいいんだよね」

井上沙耶にビールを勧められたが、断った。潔癖な性格ではなく、少々のモノならば手をつけられるが、出してくれたお茶にもお菓子にも、手をつける勇気がなかった。

「15歳からずっと男が途切れたことがないけど、4年前、ちょうどそのときだけ彼氏がいなかったの。出会い系でメールしても、テレクラに電話しても、なにしてもできない。たまたま今の彼氏が、こんな毎日のようにリストカットしても、なんとか耐えてくれるすごいいい人だったの。一緒にいる理由は、それだけ。これからも、あんないい人は現れないって思っているし」

 

母親に言われてはじめた仕事

ひっきりなしにビールを飲む。ずっと手が震えているのでいちいち中身がこぼれる。おそらく食料やクスリ、手に取るものすべてがこぼれるのだろう。掃除はしないし、拭かないので絨毯には幾重にも染みが拡がっていた。それが臭気の原因だった。

異臭漂う老朽アパートの一室は、壊れて立ち直りようがない現在を象徴していた。かける言葉がない、ただ耳を傾けるだけだ。

「自分がおかしいことは、本当によくわかっている。精神かアルコールかといえば、たぶんアルコールで壊れちゃっている。アルコールから始まって精神も侵されているっていうか」

壊れる彼女は、どのようにして現在の破綻を招いたのか。昔の話を聞いてみた。アルコールが原因で記憶は曖昧なようだった。

「売春は15歳から。それまではイジメられっ子で、小学校高学年くらいから学校にはちゃんとは行っていないかな。

母親がメチャクチャな人でヤクザみたいな男を転々としているような女。借金して、お前がカラダでも売って払え、とか。そんなことを平気で言う家庭で、私は15歳からずっとアソコをしゃぶっている。

15歳で売春を始めて、母親に毎月いくらか払っていたね。家賃とか生活費ってことで。私の人生で一番良かったのは、やっぱAV女優やったとき。こんな私でもチヤホヤされて稼げたから。AV女優時代はマジでいい思い出だよね」

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18歳で風俗嬢になる。風俗嬢は半年前に解雇されるまで22年間継続し、現在の収入も出会い喫茶での売春だ。出会い喫茶での価格は2万円。しかし本格的に太ったこの半年は、誰にも相手にされない。