【ルポ】子どもたちが「神かくし」状態になっている一時保護の実態

本当に必要な「子ども支援」とは何か
慎 泰俊 プロフィール

完全消灯後も監視されている

その後は最後の自由時間で、幼児は19時半には部屋に入り、職員が寝かしつけます。他の子どもたちも、高校生も含め20時には部屋に入るように促されます。部屋に入る際にはテーブルライトと本・漫画一冊を持ち込むことが許されます。

この一時保護所には個室がなく、子どもたちは一部屋に3〜5人が入っています。部屋には張り紙があり、そこでは布団を敷く場所、誰がどこに眠るのか、枕をどっち側にするのかまで指定されています。「定めておかないと喧嘩をするし、子どもたちが頭を付きあわせて眠るようにするとトラブルが発生する確率が高まるため」だそうです。

小学生は21時、中高生は22時に完全消灯になった後も、しばらくの間、職員たちは部屋の外に無言で立っています。子どもたちと話し合うようなこともほとんどなく、まるで監視しているかのようです。

ある関西の一時保護所を経験した青年は、この時間についてこう言っていました。

「何も悪いことをしていないのに、監視をされるかのように、職員が外に立って部屋の中を見ている。あんなのじゃ気持ちが悪くて逆に眠ろうとしても眠れない」

子どもたちが大げんかをするようなことがなければ、22時半くらいからは静かな時間が訪れます。宿直の職員たちは交代で仮眠を取りながら、日誌を書いていきます。

 

格差が激しい一時保護所

ここまで読まれると、一時保護所はとんでもないところだという思いを抱かれるかもしれません。実際、私が最初に住込みをしたのはこの都心の一時保護所だったので、これは確かにひどいという考えを抱くようになりました。

しかし、全国を回り、様々な一時保護所を訪問し住み込みをさせて頂くうちに、全く違う場所もあることが分かってきました。

良い一時保護所とそうでない一時保護所には、概ね次のような違いがあるように私は感じました。もちろん、実際の保護所はこの幅のなかのどこかに存在しており、極端に良い保護所、悪い保護所というものが存在することは稀です。

なにがこのような格差を生んでいるのでしょう。そもそもなぜ一部の一時保護所がこのような場所になっているのでしょう。また、民間人である私たちにできることは何なのでしょう。

答えるにはスペースが足りませんが、私なりの答えは『ルポ 児童相談所——一時保護所から考える子ども支援』に書かせていただきました。可能でしたら手にとっていただけたら幸いです。