新聞・テレビで報じられない天皇陛下「安倍総理への不満」

2017年、ニッポンの火種
週刊現代 プロフィール

そもそも風岡典之宮内庁長官(当時)は、'15年秋の段階で安倍官邸に退位の意向を伝え、同年の天皇誕生日での記者会見を打診しました。

このときは折り合いがつかずに会見が流れてしまいましたが、その後、官邸と宮内庁は時間をかけて『おことば』の内容をすり合わせました。摂政をどう位置づけるかなどをめぐってかなり攻防があったそうです。

ところが、それだけの調整をさせておきながら、『おことば』を発した後に『憲法違反』などという話が出るのはハシゴ外しもいいところ。『内閣とも相談』という表現は、内閣に『その話はもう終わっているはずだ』とクギを刺す意味と取ることができます」

もちろん'15年時点での打診も、突然思いついて出てきたものではない。時間をかけて考え、タイミングを見計らってきた。皇室の関係者が語る。

「陛下は、生前の三笠宮(崇仁)さまと天皇制について話し合っているなかで、在位20年となる'08年前後から譲位について考えていたようです。'10年には『宮内庁参与会議』で譲位について口にされました。リベラルな民主党政権でなら、新しい皇室の形が実現できるのではないかと考えていたようです。

しかし当時は政権が短命でうまくいかなかった。安倍政権が安定し、安全保障の問題がひと段落したタイミングで『おことば』の打診を行ったのです」

試行錯誤を続けてきた天皇にとって、安倍総理の態度は誠意を欠くものと映っている。

 

亀井静香衆院議員は昨年末に開かれた自身の政治資金パーティで、安倍総理の思いを象徴するようなエピソードを披露した。亀井氏は、天皇が公務を増やしすぎたことが退位問題につながった、公務を減らすことが先決だという見解を披露し、こう続けた。

「官邸で、晋三総理とこの問題について相当長く話しましたが、総理も私とまったく同じ認識です。総理は、こんなふうに(亀井氏、杖をつく素振りをする)陛下の真似をして『あんなことまでして、本当に危ない』と言っていました。その通りなんですよ」

天皇の公務を「自分で増やしすぎたのなら減らせ」といわんばかりの意見、そして天皇の姿を真似する――こうした安倍総理の不敬な心根は、その後の行動にも表れている。10月に組織された有識者会議のヒアリングメンバー選定がそれだ。

Photo by GettyImages

安倍の本音は「面倒臭い」

全国紙政治部デスクが言う。

「当初、官邸の事務方が挙げてきたメンバーに、安倍総理が自ら、お気に入りの識者である平川祐弘東大名誉教授や渡部昇一上智大名誉教授などを加えさせたのです。有識者会議で退位賛成派と反対派を拮抗させ、8割が退位に賛成する世論を抑える意図があると見られても仕方ない。

櫻井よしこさんも、安倍総理のお気に入りだから入っているのでしょうが、そもそもこの件の専門家とも言えない。雰囲気づくりのための人選だと思います」