東芝に残された道は「自ら上場廃止」以外にナシ?

再生のために、思い切った決断が必要
田中 博文 プロフィール

次に「それ以外」の判断には、ライブドア、日興コーディアル、オリンパスが含まれる。

ライブドア、日興コーディアル、オリンパス、そして今回の東芝含め、上場廃止になる論点は利益の水増しであり、その結果としての有価証券報告書の虚偽記載に該当する。もっともその内容は各企業でバラバラだった。

結局、この表を眺めても、形式基準に抵触した西武鉄道とカネボウ以外は、何が上場廃止のポイントなのかわからないというのが、正直な感想だ。日興コーディアルが仮に上場廃止になったのであれば、組織ぐるみの粉飾は上場廃止と、一つのルールが見えてくるのですが、それが見えない。第三者委員会が組織ぐるみだと言っているのに、なぜ上場廃止にしなかったのか。何か大きな力を感じざるを得ない。

ただし、既に2015年9月に東証は、東芝を「特設注意銘柄」にしており、上場廃止の要件は、上記の基準ではなく、「2017年3月15日以後に内部管理体制等について再度、改善がなされなかったと認められた場合」、上場廃止になると言っている。

上場維持はもう無意味?

この「内部管理体制の改善」をどう判断するか。

今回のCB&Iの減損について、損失が出るから、特設注意銘柄が解除出来ないという論調があるが、特設注意銘柄指定はあくまで内部統制不良に対して指定する話であって、損失の議論とは別の話である。仮に債務超過になっても内部統制管理が妥当だと判断されれば、特設注意銘柄から指定解除され、市場一部から市場二部に指定替えとなるだけの話である。

 

ただし、問題は今般のCB&Iの買収は当初のれんが100億程度と考えていたのが、突如として数千億円(数十億ドル)規模の減損損失が出る可能性があるなど、その買収案件のデューデリジェンス含めたリスクファクターの認識の甘さ自体が、内部管理体制の不備とも十分言えるために、これ一発で十分上場廃止になるような状況と言えるだろう。

4.公募ファイナンスが出来ない以上、上場維持は無意味

さて東芝はこれからが正念場である。今回の減損金額如何では債務超過、仮に債務超過は免れても過小資本に陥ることは間違いなく、今期中の資本増強の必要性が大きくなって来ている。

今まで原発と半導体で稼いだキャッシュを市況産業の半導体に投入して更に大きく稼ぐという事業ポートフォリオだったが、原発がダメだとなると、半導体のNANDは今はいいが、基本、液晶と同じで需給で価格が変動するので、この事業だけではシャープと同じ事業構造になってしまい、DRAMで破たんしたエルピーダメモリの様な状況となってしまう。また他のセグメントでこの2つのセグメントを支える力は今の東芝にはない。

しかも、特設注意銘柄なので、公募ファイナンスは出来ない状況であり、昨年度の様に東芝メディカルなどの大型売却案件がないと、数千億円単位の第三者割当増資を行う必要が出て来る。グローバルな大型のファンドは手を挙げるかもしれないが、元々ガバナンス統制が出来ていないという理由で特設注意銘柄になっている発行体の株を、他の事業会社が引き受けるのは、かなり難しいのではないか。一部では上場総合電機のネームも出てきているが、まだ時期尚早だろう。

そういった意味では、債権放棄、DESを含めニューマネーを注入するにあたり、既に公募ファイナンスが困難である以上、上場維持することにそれほど意味はなく、一度上場廃止にして、現状の経営者責任、財務内容のスリム化、内部管理体制の徹底などによる再構築をお願いしたい。