箱根3連覇に挑む青学、その強さを生んだ「体育会らしからぬ」指導法

選手である以前に社会人として
現代ビジネス編集部

評価が公平で明確であること

陸上部には50人ばかりの部員がいる。当然みな箱根駅伝の選手になることを目指しているわけだが、実際に走れるのは10人だけ。当然その競争は激しく厳しい。

そこで重要なのは評価が公平かつ明確であることだという。

「チームの運営として、がんばって成果を出した人間には、ある程度の褒美を出すということをできる範囲でやろうとしています。たとえばいまは選抜のレベルによってマッサージのサポート金を出したり、合宿の補助額に差をつけるといったこともやっています。

寮に関しても、ケガをしている選手や、二年生以上でなかなかタイムの伸びない選手は町田の寮ではなくて、相模原のいわゆる二軍寮に行かせるなど、けっこうシビアな面もある。成果によって待遇が明確に変わる。

もちろんそこでがんばれば、また町田寮に戻る。戻って箱根を走る子もたくさんいます。常にチャンスを与え、常に厳しく評価する。重要なのは評価がぶれないことです」

Photo by iStock

たとえ箱根には出られなくても

箱根にかける時間はたったの4年間。青学の選手といえど、卒業後も陸上を続けるのはごく一部だ。そうした選手たちに対して監督が日頃から口にしていることとは?

「レギュラーになれようがなれまいが、自分自身がここまでやったというものを部にいる四年間で培って欲しい、それも含めて箱根駅伝なんだよという、ちょっと臭いセリフは言っているんです。

そもそも部として、タイムが良い奴が偉い奴だという運営はしていません。私はそれをずっと言い続けています。だからレギュラーにはなれなくても、精一杯自分の立ち位置を理解して全力でやり抜くことが、次のステージに行けることになるんだよという話はします。

結局、大学時代というのはたったの四年間だけのことで、それからの人生のほうが圧倒的に長いわけです。

学生時代に必死で努力して、でも結果として箱根には出られなかったとしても、そこでのプロセスは絶対に次のステージで生きてくるはずだと思うんですよ。途中であきらめて、オレはいいやと中途半端に流してしまうと、そうした経験を得ることはできません」

原監督の指導法は、実社会でも十分通用するものだろう。そして実際にそのような仕掛けを通じて、ぶれない組織の強さ、個々の強さもまた育まれていくのである。

ゆとり教育マニュアルがここに!