2017年ノーベル賞を獲る日本人はこの人だ!

最右翼は「リチウムイオン電池」だが…
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宇宙の秘密を解き明かした

その他、世界中の科学者が受賞に最も近いと挙げるのが、「クリスパー・キャスナイン」といわれるゲノム編集技術である。

「今までにも遺伝子組み換え技術はありましたが、非常に精度の低い手法でした。この新技術ではDNAの狙った場所をピンポイントで編集することが可能で、難病治療はもちろん、生物の体質を改変することもできる影響力のある技術です」(『世界史を変えた薬』の著者・佐藤健太郎氏)

'12年の発表以来、精度の高さと簡易さから、この技術は爆発的に拡散。アメリカでは、血液中の遺伝子をゲノム編集し、エイズウイルス感染者の免疫力を高めることに成功しており、いままで治療不可能だった疾患への新しいアプローチ方法として注目が集まっている。

生命倫理とのせめぎ合いはあるものの、正しい使い方をすれば、人類の未来を明るく照らす技術となるはずだ。

この「クリスパー・キャスナイン」の開発者はアメリカとフランスの二人の女性科学者といわれているが、実は源流に日本人科学者が存在する。技術の根底にある「クリスパー」と呼ばれる遺伝子配列を発見したのが、九州大学の石野良純教授(59歳)なのだ。

ノーベル賞は、研究の第一発見者を特に評価する傾向にあるため、石野氏が受賞する可能性は十分にある。

 

年ごとに受賞分野に傾向がある物理学賞。'17年は天文・素粒子分野からの受賞が濃厚だ。大本命とされているのが、「世紀の発見」といわれ、'16年に大きな話題を呼んだ重力波の観測。残念ながら、アメリカにある国際チームが主体なので、3人という制限のなかに日本人が食い込む可能性は低い。

だが、同じ天文・素粒子分野でいえば、東大・佐藤勝彦名誉教授(71歳)を推す声も少なくない。彼が提唱した「インフレーション宇宙論」は、ビッグバン直後に宇宙が急激に膨張したというもの。これまで上手く説明できなかった宇宙創生に関わる問題にも対応できるとして、多くの科学者から支持されている。

科学大国ニッポンの快進撃はまだまだ続きそうだ。

「週刊現代」2016年12月31日・1月7日合併号より