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打倒ジョコビッチ!錦織圭が世界トップ3に入るには何が必要か

「超負けず嫌い」のその先へ
稲垣 康介 プロフィール

「超負けず嫌い」のその先へ

シーズンを終え、つかの間の帰省中だった錦織にインタビューをする機会があった。掘り下げたかったテーマの一つが、この「勝負どころの強さ」についてだった。

〔PHOTO〕gettyimages

錦織がいう。

「プロテニス選手って、僕もそうですけど、超がつく負けず嫌いだと思うんですよ。ジョコビッチ、マリーのトップの2人は、特にすごい。大事なポイントを、なかなか取らせてもらえない。この2人と、トップ5以下の選手だと全然違いますね。ここ一番での集中力、そしてプレーの仕方も」

象徴的な試合に、ツアー・ファイナルのマリー戦の惜敗が挙げられる。

6-7、6-4、6-4。3時間20分の激闘を制したマリーが、錦織に賛辞を送った。

「第1セットと第2セットの序盤は、ほぼすべてのラリーをケイが支配していた」

社交辞令とは無縁の王者だから、本音だろう。「球を自在に打ち分ける技術はたぶん、誰よりもうまい」とも言った。

確かに、錦織はマリーを幾度も左右に走らせ、消耗させた。試合中の走行距離は錦織の3キロに対し、マリーは3.4キロというデータが、それを裏付ける。

 

錦織自身、「昔はもう少し焦って打っていたけど、今は無理しなくても左右に振っていれば浅いボールが来る。それをしっかり打とうと」。ストローク戦に自信がついたので、焦って勝負を仕掛けたりせず、落ち着いてラリーをつなぎ、相手のミスを誘う戦術に活路を見いだせた。

しかし、勝てなかった。最終第3セット第3ゲームで、錦織が2本連続ダブルフォールトなどでブレークを許し、続くゲームを4度のデュースを重ねた後にマリーにキープされて大勢は決した。ここでも、錦織は言っていた。

「メンタル的な面や大事なポイントの集中力、駆け引きで、まだ少し彼の方が上だと思う。そういうところを縮めていけば、もっと勝つチャンスは出て来ると思います」

わずかな差。その差を埋めるのは容易ではない。

ただ、マリーには全米オープンで勝った。リオデジャネイロ五輪でラファエル・ナダル(スペイン)を3位決定戦で破り、銅メダルを手にした試合を含め、確かな手応えをつかめたシーズンになった。

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