自衛隊「オスプレイ導入」を中止できない、日本政府の呆れた事情

貧乏くじを引かされ続けていいのか?
半田 滋 プロフィール

防衛省HPに載る「ウソの数字」

防衛省は自衛隊オスプレイの佐賀空港への配備を計画している。

隣の長崎県佐世保市に発足する陸上自衛隊版海兵隊の「水陸機動団」を空輸するのに、佐賀空港は山と海をひとつ隔てただけという地理的優位性に加え、赤字の佐賀空港を抱える佐賀県当局には「札束をチラつかせれば何とかなる」という、都合のよい地元歓迎論が根拠になっている。

昨年(2015年)7月、防衛省は「陸上自衛隊の佐賀空港利用について」とのパンフレットを作成し、地元説明会を開いた。墜落などの危険性についてパンフには「開発途中においては大きな事故が4回発生しましたが、機能の追加や再設計など事故原因への対策を行い、技術的な問題点はクリアされています」と安全性を強調している。

本当に安全なのだろうか。

米国防総省は、死者の発生や200万ドル(約2億3500万円)以上の損害を出した重大事故を「クラスA」と称し、事故率は10万飛行時間当たりで計算する。日本政府は、米軍がオスプレイを沖縄に配備する際、オスプレイのクラスA事故は1.93(2003~12年)という数字を示し、米海兵隊が持つ航空機全体の平均2.45(同)より低く、安全だと説明した。

しかし、12年以降は上昇に転じ、15年9月末で2.64と現在の米海兵隊航空機全体の平均と並んでいるが、防衛省は今でもホームページに1.93の数字を載せ、国民をミスリードする。 

 

事故率は全機種平均の41倍

実戦ではどうなのか。

米海軍安全センターは「海兵隊航空機アフガニスタン事故報告書」(2010~12米会計年度)を公表する中で、海兵隊航空機12機種のクラスA~Dの事故率は26.69で、3746.8時間に1件の割合で事故が発生したことを明らかにした。

この中でオスプレイの事故率は1105.56で全機種平均の約41倍と極めて高く、90.4時間に1件の割合で発生した。クラスAの事故率は138.19で、12機種平均の21倍にも達した。

飛行時間は同じ輸送機のCH53Eが1万9480. 7時間、CH53Dが5630. 5時間となっているのに対し、オスプレイは723.6時間と極端に少ない。新型機なのでアフガンの砂地での運用に不慣れなのかもしれないが、実戦に不向きという致命的な弱点をさらけ出した。

オスプレイは昨年5月、ハワイで着陸に失敗し、機体は大破して乗員2人が死亡した。米太平洋海兵隊は「巻き上げた砂塵をエンジンが吸い込み、出力が低下した」と原因を操縦ミスに求め、日本の防衛省も追認した。砂地での運用はアフガンで経験済みではなかったのだろうか。

今回の沖縄での事故は、在日米軍によると、夜間の空中給油中、MC130給油機から伸びた給油ホースにオスプレイのローターが当たり、損傷したというものだ。

オスプレイは全幅25. 78メートルの機体の左右に直径11.6メートルの巨大なローターが付いている。給油口は操縦席の先に突き出ているものの、ローターが巨大ゆえに伸びてきたホースがあたりやすいという特性があるのではないだろうか。

空中給油機を持つ航空自衛隊の杉山良行航空幕僚長は会見で「(陸上自衛隊のオスプレイも)米軍と同様の訓練をやると聞いている」と語り、夜間の空中給油訓練を否定していない。

日本人にとって安心材料は何一つないようだ。