やっぱり自宅で死にたい!名医が選んだ「看取られたい在宅医」150人

徹底調査:47都道府県別リストつき
週刊現代 プロフィール

小澤氏が、自分が診てもらう場合に重視する医者の資質は「よく話を聞いてくれること」だという。

「これまでの医学教育では、説明ができる医者がいい医者だとされてきた。それも大切なことですが、間もなくお迎えが来る方に説明してもあまり意味がない。在宅医療に限らず、苦しんでいる人は、自分の気持ちがわかってくれる人が嬉しいものなのです。

例えば、岩手県のホームケアクリニックえんの千葉恭一先生は、いかに患者さんと寄り添うかをいつも考えている非常に誠実な先生です。優秀な看護師がいるのもポイントです。スタッフも含めて暖かい雰囲気です」

自宅死亡者が少ない医院は要注意

良い在宅医の条件は他にもさまざまある。前出の長尾氏は次のような項目を在宅医選びのポイントして挙げている。

(1) 自宅から近いこと。近いほど往診もしやすく、お互いにいいことばかり。

(2) 在宅の看取りの数が多く、自宅看取り率が高いこと。

(3) 医師と患者の相性が良いこと。

(4) 訪問診療だけでなく、24時間体制で往診してくれること。

(5) 緩和ケアの技術が高いこと。

(6) 訪問看護師やケアマネージャーと上手に連携が取れていること。

(7) 携帯電話に出ないような医者は×。

(8)「なにかあれば救急車を呼んでください」という医師は、自分で看取る気がないから×。

(9) できれば外来もやっていて、複数の医師がいるところ。そのほうが相談機能や往診機能が充実している。

このうち(2)は、上記のリストのうち自宅での死亡者数、自宅看取り率の数字を見れば確認できる。在宅医の看板を掲げているのに、自宅死亡者数がほとんどいないところ、自宅看取り率がわずか数%と極端に低いところは基本的に避けたほうが無難だろう。

 

在宅医療で大切なのは「医師の覚悟」

新田クリニック(東京都国立市)の新田國夫氏は、こんな在宅医はやめたほうがいい、と言う。

「良くない在宅医は営利企業のようになっており、他の業者と癒着していることが多い。事務所はあるけれど、4畳半に電話しかないようなところもあります。いざ患者さんが緊急事態になっても『救急車を呼んでください』としか言わない。医療の企業化はすべてが悪いわけではありませんが、質が担保されないケースが見受けられます」

効率的に儲けるために、サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)専門で在宅医療を行う医師もいるという。そうした医師は地域の医師会にすら所属していない。国が在宅医療を推し進めていることもあって、診療報酬を狙った質の悪い在宅医も次々と生まれているのだ。

前出の井尾氏は、在宅の看取りには三つの覚悟が必要だと言う。

「『家で死にたいという本人の覚悟』、そして『家で看取りたいという家族の覚悟』、さらに『家で最期まで支えるという医者、医療者の覚悟』です。最終的に死亡確認をする医者が、そこを支えてくれなければ在宅医療は成立しません。家族、本人の覚悟よりも医療者の覚悟のほうが重要なのです」

ここで紹介した医師150人は、間違いなくそのような覚悟を持った医師たちだ。人生の最期を預ける相手を探すのに、きっと役立つだろう。