やっぱり自宅で死にたい!名医が選んだ「看取られたい在宅医」150人

徹底調査:47都道府県別リストつき
週刊現代 プロフィール

「聞き上手」の医師が良い

東京都豊島区の要町ホームケアクリニックの吉澤明孝氏が語る。

「現在、私の病院の在宅医療の患者さんは180人。多くが末期がんの患者さんで、年間100人弱の看取りを行っています。私は在宅医療の目的は、最期の時を家族と一緒に楽しく過ごすことだと思っています。

うちでは、血圧が下がり点滴が外せないような状態で他の病院では在宅は難しいと言われてしまうような患者さんでも、在宅を望む人はできるだけ家に帰してあげられるようにしています」

そんな吉澤氏が信頼できる在宅医に挙げる一人が、鈴木央氏(東京都大田区の鈴木内科医院)だ。

「在宅医療のレジェンドと呼ばれる鈴木荘一先生のご子息です。自転車で患者さんの家を回っている、昔ながらの赤ひげ先生です。日本における在宅医療の一つのモデルだと思います」(吉澤氏)

その鈴木氏に、在宅医の探し方の基本を聞いた。

 

「最も公式な方法としては、各市区町村に置かれている地域包括支援センターに問い合わせてみることです。ここには在宅医療を行っている医療機関の情報が集まってくるからです。ただ、それで本当に信頼関係の築ける医者に出会えるかどうかはわかりません。

やはり、長年のかかりつけの医者に相談してみるのが一番だと思います。おそらく、いいかかりつけ医であればあるほど、『いままで診てきたわけだし、自分がやりますよ』と言ってくれるでしょう」

医療法人アスムスの太田秀樹氏も「かかりつけ医が在宅医になるのが理想」だと語る。

「だからいずれ在宅医になってもらうつもりで、信頼できるかかりつけ医を探しておくことが大切なのです。代々クリニックを開業しているような伝統的なところは、けっこう往診に対応してくれます。逆にビルの中の診療所で、先生も遠くから通っているようなところは往診してもらうのは難しい場合が多いでしょう。

往診専門のグループを作って在宅医をやっているところもあります。ただそうなると、医療側の都合で担当が日替わりになることも多い。担当医がころころ替わると信頼関係が築きづらいですね」

頼りになるかかりつけ医がなかなか見つからない場合、もし介護保険を受けているのならケアマネージャーに聞いてみるのも手だ。

「ケアマネージャーは地域の医師をよく知っています。ケアマネージャーとうまく連携できている在宅医は最先端のレベルの高い医療を行っている場合が多い。また、訪問看護師も地域の医師の情報に通じているので、相談に乗ってくれるでしょう」(鈴木氏)

神奈川県横浜市のめぐみ在宅クリニックの小澤竹俊氏は、訪問看護ステーションに問い合わせることを勧める。

「在宅医にも得意分野があります。たとえば、がんを患っていて家に帰りたいケースと、脳梗塞など比較的ゆっくり、長期間の在宅医療を受けるケースではふさわしい先生も変わってくる。

そういった際、訪問看護ステーションに問い合わせると、『○○先生は痛み止めの使い方が上手い』『××先生は昼間は来てくれるけれど、夜は来てくれませんよ』といった情報を得られると思います。

おそらく在宅医を選ぶのに、いろいろな先生に会って探す余裕は患者さんにもその家族にもないはずです。結婚式の会場はたくさん下見しても、葬儀会場を選んでいる余裕はないのと同じことです。ですから、口コミ情報が集まる場所を利用すべきなのです」