12月15日夜、山口県長門市の温泉旅館「大谷山荘」で行われた安倍晋三首相とウラジーミル・プーチン大統領の日露首脳会談は、第1次安倍内閣時代を含めると16回目である。
安倍・プーチン会談の特色は、日本側の担当閣僚や官房副長官(政務)、国家安全保障局長、そしてロシア側の第1副首相、外相、大統領補佐官(外交)らを交えた少人数会談後に必ず両首脳だけの「テ・タテ」(記録係も同席させず通訳のみ)を行うことである。
今年になってからだけでも、5月7日のロシア南部ソチ、9月2日の極東ウラジオストク、11月19日のペルーの首都リマでのテ・タテ会談は、それぞれ38分、55分、35分であった。そして山口県長門会談は95分に及んだ。
情報管理に厳しい安倍首相、菅義偉官房長官の意向もあって、首脳会談に同席する(外遊の場合は同行する)官房副長官や外務省の外務審議官(政務)にも会談内容は殆ど知らされない。
歴代の官房副長官や外務審議官と懇談する機会が少なくないが、筆者が彼らに質してみて、本当に知らされていないことが分かった。
安倍、プーチン両首脳は1時間35分の長時間、いったい何を話し合ったのか。もちろん北方領土返還・平和条約締結問題について、相当突っ込んだ議論を行ったことは、安倍首相のぶら下がり会見でも明らかである。
だが、新聞・テレビなどの報道を見る限り、北方4島で「特別な制度のもとでの共同経済活動」を行うことで合意したこと以外、本稿執筆時点(16日午後)では特段の「成果」があったとは伝わってきていない。