気をつけろ!減塩しすぎると「認知症」になる

知らないと寿命が縮む新常識
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味噌汁は体に良い

食と生活情報センター所長の八藤眞氏も食塩の重要性について主張する。

「塩分摂取が少ないと、食欲の減退、消化不良、疲労感の蓄積など様々な問題を引き起こす可能性があります。たとえば、汗っかきの友人と夏場にゴルフ場に行くと、よく足がつったと騒ぎますが、これは汗と一緒にナトリウムが流れ出てしまうことが原因。ナトリウムは筋肉の収縮や弛緩のために必要な伝達物質です。

また、胃液などの内臓の消化液も、食塩に含まれる塩化ナトリウムの塩素からつくられています。塩分が少なくなると、消化液が少なくなり、食欲が減退したり、体がだるくなったりもします」

塩を減らすことがリスクになりうるとすれば、高血圧に対応するためにどんな食べ物を摂取するのがいいのか。共立女子大学家政学部教授の上原誉志夫氏は、塩そのものの摂取量を減らすことよりも、むしろ塩が血圧を上げる「感受性」を低下させるほうがいいと提案する。

「そのためには、食物繊維やカリウムを多く含む日本食を摂ることが大切です。カリウムについては、にんにくやホウレンソウ、枝豆などに多く含まれています」

上原氏がもうひとつ勧める食品が、味噌汁だ。これまでは「味噌汁は塩分が多いから飲んではいけない」という説が有力で、そのために「減塩味噌」が人気を博してきた。しかしこれも実は事実に反している。

「血圧を下げるためには味噌汁を飲まないほうがいいという学説は完全に否定されています。雑誌『薬理と治療』に掲載された論文では、味噌汁に含まれる塩分量を摂取すれば、通常は血圧が上がるはずなのに、まったく変わらないかむしろ下がるとされています。通常の味噌汁を1日2杯程度飲む分には血圧には問題がないということ。

これは、味噌の中に血圧を下げる成分や、ナトリウムを腎臓から出してしまう成分が入っており、そのために塩分摂取が相殺されてしまっているからです。むしろ、味噌の原料である大豆に含まれるレシチンにより血管硬化を抑制し、血管年齢を若返らせる効果もあります」(前出・上原氏)

塩分を減らすことが健康につながる事実はない。間違った常識を盲信すると、健康を害することになる。

「週刊現代」2016年12月17日号より