このたび上梓した『欧米人とはこんなに違った 日本人の「体質」』では、これらの新しい知識をやさしい言葉で説明しながら、日本で暮らす日本人にとって本当に有効な健康法と病気の予防法について、皆さんと一緒に考えたいと思います。
ご自分や、親しい人の身に置き換えて読んでいただけるよう、現代の日本で増えている病気のうち、とくに大切なものを取り上げました。
冒頭の第1部第1章では、体質とは何か、人種によって体質がどれほど違うか、体質の違いがわかると医療がどう変わるかを説明します。続く第2章で、欧米生まれの健康法の何が日本人にとって問題か調べましょう。
第2部では、生活習慣の変化にともなって増え続ける生活習慣病に目を向け、日本人が糖尿病(第3章)、高血圧(第4章)、脂質異常症と動脈硬化(第5章)の発症と進行を食い止めるのに必要な正しい知識を明らかにします。どんな点が欧米人と異なるのでしょうか。
そして第3部では、日本人の死因第1位を占める悪性新生物(がん)をどこまで予防できるか(第6章)考えたのち、日本に昔から多い胃がん(第7章)、近年増えた大腸がん(第8章)、そして急増する女性の乳がん(第9章)に注目します。
本書は第1章という入り口をくぐると、健康法の部屋が1つと、さまざまな病気に関する7つの部屋が並んだ構成になっています。どの部屋からのぞいても構いませんが、とくに遺伝的素因に関する知識のなかには、始めに基本をしっかり押さえておいたほうがよいものがあります。まずは第1章に目を通していただくと、本書全体がぐっと理解しやすくなるはずです。
民族や人種の体質を知ることは、その集団の暮らしと伝統、ものの考えかたを知ることでもあります。日本人は何を食べ、どんな生活を送り、何を大切に生きてきたのでしょうか。そんな日本人がこれからも健康でいるために、守るべき習慣、変えるべき習慣は何でしょう。
本書を読み進むうちに、きっと納得できる答えが見つかります。