一度は乗ってみたい「憧れの名車」ベスト10

入り口は「ボンドカー」だった
松任谷 正隆, 竹岡 圭 プロフィール

竹岡 日本のスポーツカーだったら、トヨタ2000GTも外せませんね。まさに'60年代の日本車の金字塔です。

松任谷 2000GTのエンジンは、ヤマハが担当しているのは有名だけど、実は内装もヤマハが担当しているんですよ。

竹岡 ピアノの製造で培ったデザイン技術を存分に活かしてるんですね。

松任谷 日本車といえば、僕は最新の日産・GT-Rがいいな。他の日本車にはない、独特の存在感に惹かれます。

竹岡 私は断然、日産・スカイラインR32GT-Rですね。この車は'90年から全日本ツーリングカー選手権に参加して、連戦連勝でした。その姿が本当にかっこよかった。

 

加藤和彦がロールス・ロイスで颯爽と

松任谷 日本の四駆車でいえば、三菱・ジープJ58を以前所有していたことがあります。とにかくクセが強くて、例えばブレーキを踏むと勝手に左に寄っていってしまうとか。でも三菱ジープにしかない運転感覚が満載で、独自の世界観を持った車でしたね。

竹岡 ジープの後部座席って狭いけど、対面式なんですよね。もし乗ったら、その非日常感にワクワクしちゃうな。

松任谷 実際、昔『雨音はショパンの調べ』で人気だった小林麻美が、僕の運転するジープの後部にのって、大騒ぎしながら逗子から帰るなんてこともありました。

竹岡 '60年代にはアメ車の御三家で、キャデラック、リンカーン、インペリアルがありましたね。

松任谷 特にインペリアル・ルバロンが個人的な名車だね。巨大なテールフィンや四角いハンドルが、非常にユニークだった。でも、その唯我独尊的な存在感がまた美しい。

竹岡 なかでもメジャーどころのキャデラックを選ばないのが、松任谷さんらしいこだわりですね。

松任谷 '70年代で思い出すのは、ポンティアックをはじめとするアメリカ車とロールス・ロイス。僕が音楽を始めたころ、売れてるミュージシャンはこぞってスタジオにアメ車で乗り付けてきた。ロールス・ロイスは、今は亡き加藤和彦さんがスタジオに颯爽と乗り付けていた姿が忘れられない。

竹岡 昔は、デザインや機能で、個性豊かな車がたくさんありました。今は良くも悪くも、クセのある車は減りましたね。

週刊現代』2016年12月17日号より