上司と部下が肝胆相照らす仲になると、こんな「不幸」が待っている

島地勝彦×田中知二【第1回】
島地 勝彦 プロフィール

シマジ トモジが集英社に入社したときは、ぜんぶで何人ぐらい入ったの?

トモジ たしか男が15人、女が10人でしたね。男女合わせて20人以上はいたはずです。

シマジ へえー。景気が良かったんだね。

トモジ でも男で残っているのは4、5人。みんな辞めちゃった。定年を迎えて最後までいた人間って、珍しんですよ。

シマジ たしかに出版社ほどのブラック企業はどこにもないもんな。徹夜は当たり前。それも下手をすると2日、3日続くこともある。余程この職業が好きじゃないとやっていけないかもね。もし集英社が夜の10時に消灯したら1年で潰れると思うね。入社の動機はなんだったの?

トモジ 男15名のうち14名がPLAYBOY編集部志望でした。おれは電通とキャノンからも内定をもらっていたんですけど、どうしてもPLAYBOYで働きたかったんですよ。

立木 シマジみたいなやつがいるとはつゆ知らず、純粋にPLAYBOYに憧れていたんだね。トモジ、可愛いね。

シマジ 15人も男の新人が入ったことは知らなかったけど、そのときトモジ1人だけが選ばれてPLAYBOY編集部に入ってきたんだ。

トモジ おれは同期の最年長者だったので、配属が決まる日、「みんな、誰がどこに配属されようとも恨みっこなしで今夜は飲みに行こう」と大きなことをいっていたんですが、年齢順に席が並んでいて、「田中知二君、月刊プレイボーイ」と最初に発表されちゃって、そのままトイレに行くふりをして逃げて帰りました。

シマジ 男は嫉妬するより嫉妬される人間になることだよ。

ヒノ 次の日みんなに袋叩きにされなかったですか?

トモジ 時が経てばすべてのことがクールダウンするものです。

〈⇒第2回

田中知二(たなか・ともじ)
(株)集英社インターナショナル取締役
1955年群馬県生まれの茨城県育ち。最終学歴、駿台予備校(2年間)。同い年に、スティーブ・ジョブス、ビル・ゲイツがいる。特に、ふたりとの親交はない。『月刊PLAYBOY』『週刊プレイボーイ』『BART』と、ずっとシマジの下で編集生活。「そのことが、良かったのか、悪かったのかは、後生の判断に任せたい」

著者: 開高健、島地勝彦
蘇生版 水の上を歩く? 酒場でジョーク十番勝負
(CCCメディアハウス、税込み2,160円)
1989年に刊行され、後に文庫化もされた「ジョーク対談集」の復刻版。序文をサントリークォータリー元編集長・谷浩志氏が執筆、連載当時の秘話を初めて明かす。

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