糸井重里さんと考える「犬と猫とご機嫌につきあう方法」

大人気『ドコノコ』アプリ誕生秘話
おとなスタイル プロフィール

生き物すべてが愛おしく思えるようになった。

毎日毎日、写真日記に自分や樋口さんが撮ったブイヨンの写真を公開し続けた糸井さん。これには樋口さんも〝夫婦二人だけだったら、この年齢になってこれだけ継続して毎日写真を撮ることは、絶対にない〞といっている。

元気にボールで遊ぶブイヨン。お母さん(樋口さん)と散歩中のブイヨン。仕事をするお父さん(糸井さん)の傍で、あくびをするブイヨン。ソファの上で、親子で相似形になって寝る姿。

毎日発信される糸井家の日常のほっこりするひとコマは大反響を呼び、フォトブックにもまとめられた。

糸井さんが日々撮った、愛犬ブイヨンとブイヨンのいる暮らし。ほぼ日刊イトイ新聞のトップを飾る写真日記が、読者の大きな声に押されて書籍化された。

「ふと気がつくと、犬を飼っているというよりは、僕と妻とブイヨンで〝3人の家族〞という感じになっていたんですね」

もうひとつ、気持ちの変化も大きかった。

「ブイヨンと暮らして、ブイヨンをかわいいと思っているうちに、だんだんよそのうちの犬や猫までかわいいと思うようになってきて。さらに他の動物、生き物についても、なんだか気になって、とても大事なものだな、愛おしいなと思うようになったんです」

そして、糸井さんが犬や猫を好きだということが世間でも広く知れ渡るようになると、こんなことも。

「ツイッターに〝ここでこういう犬が迷子になったので探してほしい、という内容をリツイートしてください〞というお願いが次々と来るようになったんです。

最初は自分で一覧表を作って、その後どうなったのか、情報管理をしていたのですが、ものすごく大変で。それに、九州の犬のことを京都の人が心配しても、ある意味、仕方がないし。解決できないものかと考え始めました」

 

犬や猫を好きになるとご機嫌なことはとてもたくさん増える。でも、その裏にむずかしい問題があることも見えてくるようになったという。糸井さんは東日本大震災をきっかけに、動物愛護団体『ランコントレ・ミグノン』(http://rencontrer-mignon.org/)(注➀)を知り、保護活動や譲渡会(注➁)の応援をするようになって、そのことを痛感した。

ブイヨンと暮らすことから広がった出会いや想いを積み重ねてきた糸井さん。2016年6月、〝犬や猫と人が親しくなるためのスマホ用アプリ〞『ドコノコ』をスタートさせた。

『ドコノコ』(https://www.dokonoko.jp/)は、犬や猫の写真を通して、犬や猫と暮らしている人はもちろん、そうでない人も楽しむことができる今までにないアプリだ。糸井さんの念願だった、迷子の犬猫さがしの協力を呼びかける機能も備えている。

ヨソノコもかわいい

「自分の犬や猫の写真をまとめて一度に見られるアルバムのようなツールが作れないかな、と思ったのが最初でした。たとえば、犬猫を飼っている人同士で写真を見せ合おうとするとき、スマホの大量の写真の中から1枚を探し出すのにちょっとした時間がかかる。ファイリングしておけばそういう手間はなくなります。

さらに、その犬猫を住所登録して、迷子になったときに近くにいる人が捜せるような仕組みができたらいいなと思ったんです」

ただし、住所登録といっても、自分の住所は公開したくないという人もたくさんいる。

そこで『ドコノコ』が採用したのが『防災情報全国避難所ガイド』。そのアプリから提供されたデータで自分の近くにある避難所を検索し、犬や猫の居場所として登録する。すぐ近くの避難所でも、少し離れた場所でも可能。そのほどよいアバウトさも『ドコノコ』の魅力だ。