破滅的トラブルは5年後に襲ってくる!「インプラント手術」にご用心

ヘタなのにやりたがる…
週刊現代 プロフィール

歯医者は患者のせいにする

「私の家系は、元々歯があまり丈夫ではないので、長年、歯医者に通って虫歯治療をしてきました。

ところがある日、歯医者で調べたところ、数年前に銀歯(クラウン)を被せた歯の奥で虫歯が進行していたのです。

先生からは『これは神経を抜くしかないですね』と言われました。神経を抜いた歯の寿命は短くなり、やがて歯は抜け落ちることになります。

今までの治療は何だったのか、歯を失うために治療に通っていたのかと思うと、なんだか悲しいやら、情けないやらで……。『こんなことなら治療をしないほうがマシだったのでは』とすら思っています」(60代の女性)

真面目に歯医者に通い続けた結果、歯を失い、後悔している人は後を絶たない。稲毛エルム歯科クリニックの院長・長尾周格氏が解説する。

「歯医者は自分の処置の悪さを全部患者のせいにする魔法の言葉を持っています。それが『ちゃんと歯磨きしていないから』です。しかし、実は、歯磨きでは虫歯も歯周病も予防できないのです。

唾液に含まれる『炭酸水素イオン』が口の中でできる酸を中和し、カルシウム分が再石灰化することで、歯は修復されます。つまり唾液が歯に触れることが重要なのです。ところが銀歯を被せることで、歯に唾液が触れないとそれが働かなくなる。結果、ますます虫歯が広がることにもなります」

基本的に、歯は削れば削るほど弱くなる。にもかかわらず、とにかく日本の歯医者が歯を削りたがるのはなぜか。

「予防のために『健康な歯も大きく削り、銀歯を詰めてしまおう』というのが歯医者の言い分ですが、日本の保険制度は、削って銀歯を詰めないと保険点数が請求できない。少しの虫歯であっても、歯を削らないと、歯医者は儲からないのです。

しかし、それが逆に虫歯を生む原因となっています。基本的に患者は治療中の歯の様子を見ることができない、そのため歯医者がどれだけ歯を削っているのかも分かりません。それをいいことに、健康な歯も一緒に削る歯医者があまりに多い」(前出の長尾氏)

歯を失った患者は「金ヅル」

虫歯や歯周病で歯を失った時の治療法として挙げられるのが「ブリッジ」だ。ブリッジとは、欠損した歯を埋めるため、連結した義歯を上から嵌める治療法である。保険適用内なら奥歯であれば1万円以下と負担は少ない。が、ここにも「落とし穴」が潜んでいる。

ウエストデンタルクリニックの大神京子院長はこう指摘する。

「ブリッジを被せるためには、失った歯の隣の歯を大きく削る必要があります。本来なら削らなくてもいい歯を削ることになるので、当然歯の寿命は縮まります。将来的には抜かなければならない可能性も出てくる」

かえって歯の寿命が縮まってはたまらない。山形屋歯科坂上医院の坂上俊保院長が続ける。

「保険適用内で最大限、治療を行うようにしていますが、それだけでは限界もあります。保険適用の金銀パラジウム合金(銀歯)で製作したブリッジは、歯とブリッジの境目の適合性があまりよくない。そのため隙間から菌が入り虫歯や歯周病になることも多々ある。

個人的には、自由診療になるので費用はかかりますが、セラミック製のブリッジを作ったほうが長い目で見ればいいと思います。自分に合ったブリッジを作れば、20年、30年と使い続けることができるので、後々悪化するより、経済的にも精神的にも負担が少なくて済むと思います」

セラミック製のブリッジの場合、一歯あたりおよそ8万円〜15万円の費用がかかる。

健康な歯を削るブリッジではなく、「部分入れ歯」にするという選択肢もある。部分入れ歯の場合、型取りをすれば数日で受け取ることができるので、通院日数も少なくて済む。

しかし、前出の坂上氏によれば「入れ歯が合っていないため痛い、(入れ歯が)動くので上手く噛めないといった悩みを抱える患者も多い」という。

「保険適用の入れ歯は、材料も術式も決められています。そのため患者さんが納得できる入れ歯を作ることはなかなか難しい。かといって自費となると患者さんの負担になりますから、そこはよく患者さんと相談して、ご自身で決断してもらうようにしています。

あとはやはり掃除の問題ですね。保険内の部分入れ歯は残っている健康な歯にバネを引っ掛けて固定しますが、そのバネの内側と歯の両方を、毎日綺麗に掃除しなければなりません。そうしないと入れ歯を装着した際に歯カスが付いてしまい、そこに虫歯が発生する。

しかも、バネがかかっている歯は引っ張られるため、グラつき、結局は元々健康だった歯を抜かなくてはならなくなってしまう悪循環に陥る場合もあります」

さらに虫歯だけでなく、噛み合わせの問題もでてくる。60歳を過ぎてからも、噛み合わせが悪いまま放っておくと「認知症」が進行する危険性もある。自分に合った入れ歯を作ることが、いかに重要か分かるだろう。

では「差し歯」の場合はどうか。

おざわ歯科医院の小澤俊文院長が語る。

「差し歯は長年経過すると『負担がかかった歯根が割れる』というデメリットがある。歯根が割れると、再び差し歯を付けることもできず、歯を失ってしまうことになる」

だが皮肉なことに、患者が歯を失えば、歯科医はさらに儲かる仕組みが出来上がっている。

「ブリッジや入れ歯の土台になる歯がダメになれば、歯医者は『ああ、これはインプラントにしたほうがいいね』とすすめてきます。先にも述べましたがインプラントは一番利益率がいいですから。悪徳歯医者にとって患者が歯を失うことはある意味で、願ったり叶ったりなんです」(前出の長尾氏)

医者選びを間違うと、歯を失った挙げ句に「金ヅル」にされてしまう。では信頼できる歯医者を見つけるためには、どうすればいいのか。次章ではその具体的な方法を紹介する。

『週刊現代』2016年11月5日号より