大谷翔平が語った「二刀流の真意」とこれから〜自分の体で確かめたい

独占ロングインタビュー
中村 計

CS開幕直前で抑えのマーティンが離脱したこともあり、CSは多少の無理はさせるかもしれないと栗山から予告されていた。

大谷はこの救援登板で自己最速となる165キロを3度マーク。しかし、まだまだ速くなるという。

「限界ではないなと思ってます。ただ、総合的にレベルが上がってきたときに、もう一度、上げたい。急いでやる必要はない」

大谷には今季も十分楽しませてもらったが、欲を言えば、日本シリーズの第7戦で引退を表明していた広島の黒田博樹との投げ合いを見てみたかった。そうすれば間違いなく伝説のシリーズになっていたはずだ。

「僕も投げたかったですよ、半分は。もう半分は、正直、もう早く決めたいなっていうのもありました」

日本一を決めた第6戦の8回2死満塁の場面で、大谷は、相手投手に重圧をかけるためにネクストバッターズサークルに入るよう栗山から指示された。

「代打まではないと思っていた。だから、今日、僕の出番はこれしかないと思って、ブンブン振ってやりましたよ(笑)」

結果、中田翔が決勝四球を選ぶ。大谷は素振りだけで「打点」を挙げた。

「いや〜、あれは中田さんの雰囲気が勝ってたなと」

〔PHOTO〕gettyimages

車の免許? いらないです

すでにメジャーも大谷の二刀流を認めたという報道もある。やや気の早い話だが、アメリカでは、どうするつもりなのか。

「大前提として、日本ハムのときもそうだったように、球団からピッチャーとバッターでやって欲しいと言われなきゃできないことなので。そういう風に言ってもらえるような結果を残して、可能性を見せていく必要があるでしょうね」

言葉は控え目だが、この男、あわよくば本場アメリカの野球史をも塗り替えるつもりでいる。

今オフの契約更改で、大谷の年俸は2億から一気に倍増の4億に達するのではないかとも言われている。

だが、相変わらず野球以外のことには興味を示さない。今年も自動車の免許を取得する予定はないそうだ。

——車に興味が出てきたりはしないの?

「いやー、ないっすね。タクシーで十分です。維持費、かからないですし」

——高級腕時計を買ってみたいとかは?

「向こうからやって来ました(笑)」

今年から国内の最高級ブランドとスポンサー契約を結んだのだ。

どさくさに紛れて「アメリカに行くなら、英語のできる年上女房も探さないとね」と振るも、ニヤリとするだけで、案の定、さらりとかわされた。

大谷は自分の今後の成長曲線をこう読んでいる。

「肉体的なピークは25〜26歳にくる。でも、技術面も含めると、30歳ぐらいにピークがくるんじゃないかと思ってます」

ピークを100としたら、今はどの程度かと聞くと、ちょっと面倒臭そうな顔をしてから、言った。

「20とかじゃないですか」

大谷の潜在能力に今年も何度となく言葉を失ったが、おそらく驚くのは、まだまだ早いのだ。

おおたに・しょうへい/1994年7月5日、岩手県生まれ。小学3年時に水沢リトルリーグで野球を始め、一関リトルシニアから花巻東高校へ。'12年、メジャー挑戦を表明するも日ハムからドラフト1位指名を受け、入団。今季はNPB最速の165㎞/hを記録。193㎝、100㎏、右投げ左打ち

「週刊現代」2016年11月26日号より