20年後の「勝ち組マンション」をどう探せばよいか

資産価値が下がらない物件とは?
榊 淳司 プロフィール

「全国一の人口増加率」なのに…

ここで紹介したいのが、千葉県八千代市の公示地価の推移である。

八千代市はかねて日本の大規模住宅団地「発祥の地」として知られ、1950年代後半以降、首都30キロ圏の位置と交通の便、自然環境のよさから首都圏のベッドタウンとして、急激に発展してきたところである。

1975年の国勢調査では人口10万人の市で全国一の人口増加率を示し、一時は全国で有数の人口急増都市になったという(参考:八千代市ホームページ)。

ところが、八千代市の公示地価の平均値は「平成バブル」崩壊後、1坪あたり150万円からなだらかな下落を続け、現在は40万円程度となっている。

ただし、「銀座鳩居堂前」や港区と明らかに違うのは、2008年前後の「ミニバブル」や、今回の「局地バブル」の影響がほぼ見られない、という点だ。

「少子高齢化が進み、八千代市の人口が減っているからでは?」

そう考える人が多いかもしれないが、実態はどうか。

実は、住宅需要と密接に絡み合う人口について、八千代市では「平成バブル」崩壊後も一貫して増え続けているのである(出所:八千代市まち・ひと・しごと創生総合戦略策定懇談会資料「八千代市の人口の現状と将来推計」より https://www.city.yachiyo.chiba.jp/content/000056432.pdf)。

にもかかわらず、東京の都心で起こった最近2回のバブルとはほぼ無縁で、地価が下がったままというのは、いったいどういうことだろうか?

 

上がるときには上がるエリアに注目せよ

おそらく、八千代市のような郊外のベッドタウン型都市では、ずいぶん以前から、多くの人々が「将来にわたって不動産は値上がりしない」と考えてきたのだろう。

だから、バブル的な売り出し価格にも拒否反応を示し、その結果、地価が上がることはなかったと推測できる。それはまた、今後マンションも含めた不動産の価格が上昇することはあまり期待できない、ということをも意味する。

一方、八千代市同様、右肩上がりに人口が増えてきた港区では、先述の通り、今回のような不動産のブームが起こった場合、資産価値はしっかり上がっている。

たしかに、八千代市では供給が需要を上回った可能性も考えられるが、いずれにせよ、「一時的に地価が下がることはあっても、上がるときには上がるのが港区」なのである。

結論を言えば、20年後の「勝ち組マンション」を探すポイントは、不動産業界の盛り上がりに乗ることができるエリアの物件に注目すべき、ということになる。

その一つの目安が、これからは郊外のベッドタウンではなく、港区のような都心のエリア、なのだ。

資産価値が下がらないマンション

もうひとつ、過去から学べることがある。それは「ヴィンテージ」と評価されうる物件を選ぶ、という手法だ。