清原、杉内、新井…プロ野球「FA」で幸せになった選手はいない? 

「裏切り者」と呼ばれる野球人生
週刊現代 プロフィール

「巨人が一番」の時代じゃない

こうした心配の陰には、'12年に同じくDeNAから巨人にFA移籍した、村田修一の前例がある。

「村田は、『巨人では常にチームのパーツのひとつであることを求められる』とこぼしていました。最近は、チャンスがまわってくると『俺が打って決めなきゃ』とトイレでえずくほど追い込まれている。村田よりさらにメンタルの弱い山口が、そんな環境に耐えられるかどうか……」(前出・スポーツ紙デスク)

FA移籍した当初は、破格の契約と喜びでモチベーションは上がるだろう。だが、少しでも期待された成績が残せなければ、待っているのは、ファンやマスコミからの激しいバッシング、そして球団からの「掌返し」だ。

 

前出の江本氏が言う。

「昔は、たしかに阪神や巨人に移籍することで抜群に知名度が上がった。引退後の仕事の引き合いも桁違い。でも、もう時代が違う。巨人戦の地上波放送が激減したのと裏腹に、日本一になった日本ハムを見るまでもなく、パ・リーグのチームも徹底した地元密着でお客さんを増やし、CSやネット中継で全球団の試合を観られる。

過度なプレッシャーのない慣れ親しんだチームで、ファンに愛されながらプレーをするほうが幸せなのかもしれない。安易にFA移籍を決断する前に、『野球選手として何が幸せか』を、ゆっくり考えてほしい」

FA選手の他球団との交渉解禁は11日。チヤホヤされるのは、最初だけである。

「週刊現代」2016年11月19日号より