日本一早い大予測!プロが分析「ドラフト1位選手、来年はこうなる」

完成度が高い柳、即戦力の濱口
週刊現代 プロフィール

寺島「20勝」への課題

一方、前出の安倍氏が、「来年すぐとはいかないまでも、将来的に20勝投手になる可能性がある」と推すのは、ヤクルトが指名した寺島成輝(履正社)だ。

「今年、夏の甲子園で見せた寺島君の姿は、彼の持っている力の60パーセントくらいだったと思います。たとえば、彼は武器のフォークの他に変化球を5種類くらい持っているのですが、甲子園ではスライダーとチェンジアップくらいしか使わなかった。出しきれなかった力を十分に発揮すれば、ものすごい可能性を秘めている。

二軍で、クイックやけん制といった細かな技術をしっかり身につけ、いずれ大成して欲しい逸材です」

高校生、大学生共に豊作だった投手陣に比べ、「今年は不作」と言われた野手陣。だが、一年目から結果を残しそうな選手もいる。

元・楽天の本塁打王、山﨑武司氏が言う。

「最初に一軍で出てくるのは、やはり巨人1位の吉川尚輝(中京学院大)。彼は本来、遊撃手ですが、巨人には坂本勇人がいる。でも、セカンドは空いているから、彼の守備センスがあれば、すぐに順応してレギュラーを取れる。目鼻立ちのすっとしたスマートな『巨人顔』(笑)だし、人気も出るはず」

吉川の母校、中京学院大学は3年連続ゴールデングラブ賞の名セカンド・菊池涼介(広島)を輩出しているが、「スローイングだけなら現時点でも、菊池より吉川のほうが正確で巧い」(前出・在京球団スカウト)と評されるセンスを持つ。

実際、大学侍ジャパンに選ばれた際には、セカンドを守り、難しい打球を器用に捌いており、問題はなさそうだ。

金本監督が一本釣りした男

今回のドラフトで、一番のサプライズといわれたのが、阪神による大山悠輔(白鷗大)の単独1位指名だ。

「ドラフト本番前に行われた最後の会議で、金本知憲監督が、『ウチに一番足りないのは、ピッチャーではなく、生え抜きで主軸を打てる長距離砲だ』と発言し、決定をひっくり返したんです。『(大山を)キャンプから一軍に帯同させて、鳥谷、北條らと競わせてガンガン伸ばしたい』と、意気込みは相当のものですよ」(阪神・球団関係者)

阪神ファンからは、「大山は2順目でも取れた。1位で佐々木を指名していれば、単独で取れたのに……」との恨み節も聞こえるが、前出の中村氏は「大山は良い買い物だ」と言い切る。

中学の軟式野球部出身の大山は、つくば秀英高校時代に甲子園出場経験がなく知名度では劣るものの、通算27本塁打を放った長打力で、スカウトから常にマークされる存在だった。

進学した関甲新学生野球連盟の白鷗大では、1年春から三塁手でレギュラー出場を続け、4年の春には14試合で打率4割超、8本塁打と大暴れし、本塁打王、打点王、ベストナインを獲得。この活躍で大学日本代表入りを果たし4番バッターに抜擢されるなど実績は十分。

「吉川君をはじめ、今年はライナー性の打球を放つバッターが多いなかで、大山君がバットの真芯で捉えたボールの弾道は、きれいな放物線を描いてスタンドに飛び込んでいく。

彼は希少な『天性のホームランバッター』です。恐らく金本監督もそこに気がついたのでしょう。大山君自身も練習熱心ですし、マンツーマンで徹底的に育てて行くと思いますよ」

一方、現役時代に通算403本塁打を放った前出の山﨑氏が、「未来の主砲」として期待を込めて名前を挙げるのが、古巣・中日が3位指名した石垣雅海(酒田南高)だ。

「打撃フォームを一目見た時に『おお、コイツはスゴい』と思いましたね。腰と腕を駆使して振り幅を大きくしながら、スイング全体としてはコンパクトにまとめられるから、遠心力が利いて打球が伸びる。

しかも、打つ瞬間にバットをグイッとかち上げて弾道を上げる動作が自然にできている。あれは、ホームランバッターしかできない動作で、高校生とは思えない逸材」
ドラフトという関門をくぐり抜け、あこがれのプロの世界に一歩を踏み入れた選手たち。来シーズン、どんな活躍をみせてくれるだろうか。

「週刊現代」2016年11月12日号より