泉田裕彦・前新潟県知事が明かす「不出馬の真相」

ついに重い口を開いた
河野 正一郎 プロフィール

――新潟日報に詳細な情報を漏らしたのは森さんだという見方がありますが。

「そんなことを言う人もいるらしいけど、まったくの濡れ衣ですよ」

――小田さん(新潟日報社社長)とは、夫婦2組4人で一緒に海外旅行に行くほど親密だという話も聞きました。

「まあ、古くからの知り合いなのは確かです」

――今年3月に副知事を辞めた後も、小田さんと会いましたか。

「小田とは何回か会っているが、そんな話はしません。フェリー問題の話なんてしません。お互い立場はわきまえていますから」

――新潟日報が書いているフェリーの記事について、泉田さんは誤報があると言っていますが、森さんはどう見ていますか。

「いやあ、誤報やミスリードがだいぶ載っている。フェリー問題は県政の最重要課題というわけでもないのに、新潟日報はなんであんなに大げさにフェリー問題を書いたんでしょう。あれでは『泉田おろしのための報道』と言われても仕方ない気がします」

いったい誰が、新潟日報にフェリー問題の情報をリークしたのだろうか。

泉田氏との出会いや岐阜県庁裏金問題が発覚した後の言動、フェリー購入問題の報道などについて、知事選の投開票日直後、10項目の質問を記した封書を小田社長宛に配達証明郵便で送付したが、一切返答はなかった。

改めて11月2日に電話で、回答をもらえないか新潟日報社に尋ねると、「責任者がいない」との答えで、電話で対応した女性は「折り返しの電話をします」と言ったが、その後、着信はなかった。そのため、私はこの原稿に関係者の話を引用したものの、小田社長の発言の真意や真偽はいまだ確かめられていない。

分からないこともある。だが…

泉田氏に聞いた。

――地方紙社長と知事という立場だから定期的な会合があってもおかしくないと思う。小田社長とは会っていましたか。

 

「もちろん公の場で会うことはあるが、取材目的も含んだ少人数で酒を酌み交わすような会合は12年前にあったきり。前任の高橋(道映)社長からはよく誘われたが、2014年に小田さんが社長になってからは一切ない。誘われたこともないので。知事から報道機関の社長を誘うと、圧力と受け取られかねないでしょ」

泉田氏は私の顔を見据えて、半ば呆れたような口調だった。

新潟日報のウェブ版「新潟日報モア」は泉田氏の出馬辞退について、「選挙態勢整わず 本紙に責任転嫁」という見出しで、かつての支持基盤である自民党や業界団体が離反したと指摘し、「支持基盤が瓦解(がかい)。選挙を勝ち抜く態勢は十分に整わず、出馬断念に追い込まれた」と記した。

だが、泉田氏はこう反論する。

「県政への評価や事前の調査結果は知っていたので、選挙については心配はしていなかった」

――そのことは再稼働に慎重な候補が当選した実際の選挙結果が証明しているとも思えます。いま新潟日報に言いたいことはありますか。

「フェリー購入問題についてちゃんと論争しませんか、と言いたい。私は知っていることは正直に答えています。だから、新潟日報も間違いがあったら認めて謝ってもらいたい」

新潟【PHOTO】gettyimages

福島第一原発の廃炉費用分担や東電の経営問題が議論される中、今回の新潟県知事選の結果は、安倍政権の解散総選挙戦略にも影響したと言われている。新潟県内の政治力学にも重大な影を落としたと言えそうだ。

泉田氏と新潟日報のバトルに、第二幕はあるのだろうか。