能年玲奈「干されて改名」の全真相 〜国民的アイドルはなぜ消えた?

「ザ芸能界 TVが映さない真実」第4回
田崎 健太 プロフィール

4月、能年はレプロ社長の本間と面談をしている。しかし、「辞めたい」の一点張りで話にならなかった、という。

レプロ側は、話し合いができる状態ではないと判断し、彼女と落ち着いて交渉する機会を窺った。

「精神的に波のあるタレントは、いつ話をするかも大切です。まずは入っている仕事を消化させること。本来は先に信頼関係の修復をしなければならないんですが、その弾みで仕事を飛ばしてしまうと、取引先に迷惑をかけることになる。

我々がそれまでに提案していた複数の仕事の中で、唯一彼女が受けた映画『海月姫』の撮影が終わった段階で話し合いをすることになった」

しかし、この話し合いも決裂した。

契約書には、「契約期間終了後、一度は事務所側から契約延長を請求できる」という条項が入っていた。その新たな契約期間は最長3年間で、具体的な期間は当事者が話し合いで決めると定められている。能年側は弁護士を立てて交渉し、2年間の契約延長で合意した。

レプロ側が契約を延長したのは、能年を説得する時間を取るためだったという。

一方、今回取材に応じた、虎ノ門ヒルズに入居する外資系法律事務所の弁護士・星野隆宏が、能年の代理人を引き受けたのは'14年の9月頃だ。そのため、星野は延長交渉に関わっていない。

星野は裁判官を経て、'87年に弁護士登録。商事紛争を専門としている。これまで能年の件について、全く取材を受けてこなかった。

「プロダクションとの契約期間中に紛議内容を明らかにすることは、彼女の芸能活動に差し障りがあるので発言は控えていた。しかし、言わなければならないこともある」

と前置きした上で、こう説明する。

 

「我々が関わったのは、すでにトラブルになった後。彼女の依頼は、レプロとの交渉と、その後出て来るであろう法律問題についてアドバイスしてくれというものでした。

こちらは法律家なので、契約内容に問題はあるにせよ、こちらから違反してはいけない、あくまでも契約に則ってやろうという話をしました。

のん(能年)はタレント活動の継続とレプロとの関係修復を望んでいたので、問題点をレプロに率直に伝え、改善を求めて話し合おう、ということになりました。契約期間内はきちんと仕事をする。その上で、2年後に契約は終了するということです」

レプロとの契約書について、星野は「細かい内容は守秘義務があるので言えないが、内容が一方的だ」と言う。

「給料は世間で思われているような金額では決してない。それでいて拘束は厳しい。一方的な指揮命令関係と言ってもいい」

星野によれば、交渉時のレプロ側の反応は「『あまちゃん』で当たったからといって、要求などとんでもない」、「言った通りに仕事をしろ」というもので、何ら理解も譲歩も得られなかった、という。映画やCMの報酬など、待遇面についても、

「具体的提案をしましたが、月額報酬の増額を含め一切拒否されました。レプロが払ったと言っている『あまちゃん』のときのボーナスについては、我々は関わっていませんが、それは本来の額の一部にすぎない。

しかも、支払いを約束していたボーナスの残額は支払われておらず、約定時期を大幅に超過してようやく支払われたのです」