【実名リスト】 50歳、60歳をすぎて「得する会社」「損する会社」

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週刊現代 プロフィール

生保は恵まれている

不正会計問題に揺れる東芝は50代の社員が現在進行形の「災難」に巻き込まれている。同社は1万人規模のリストラに着手。定年退職まで勤められると考えてきた社員が、次々と早期退職に追い込まれた。

「経営側がリストラを急いだために、一説には退職金が5000万円になった人もいたと言われています。唯一の収益事業だった半導体部門の技術者は再就職先で引っ張りだこ。サムスンなどのアジア企業や、自前で半導体技術を確保したいトヨタ自動車など自動車メーカーからも声がかかった。

ただ、そんな社員は一握り。下請けの部品メーカーに出された人は給料が7割減になった人も。最悪のケースでは再就職先で折り合わず、ハローワークで再々就職先を探す羽目になった人もいた。

経営不振前は65歳までの雇用延長が明文化されていましたが、大リストラの前で事実上の空文化。多くの社員が早期退職か再就職活動を迫られました」(40代・東芝社員)

 

同じ製造業でもNECとリコーの社員は「恵まれている」と答えた。

「56歳で役職定年になりますが、それまでの給与体系がほぼ維持されるので、2割程度しか給料は下がりません。子会社への転籍もありますが、会社から弾き出すという形は取らない。『先輩のポストが空いたから』と先方に望まれていくことも多い。いい会社ですよ」(50代後半・NEC関連子会社勤務)

「リコーは創業者・市村清が唱えた『三愛精神』(人を愛し、国を愛し、勤めを愛す)がまだ生きているのか、本体の社員には優しい会社だと感じます。たしかに'11年には大規模なリストラがあり批判もされましたが、それ以降は無理な出向はほとんどなくなりました。

60歳からはシニア契約があり、65歳まで社内に残れます。時給は1000~2000円と高くはありませんが、居心地がいいので、多くの人が利用しています」(40代半ば・リコー社員)

業界として「得する」ように見えるのが生命保険だ。日本生命、第一生命、住友生命などの大手は横並びで、50代半ばで年収のピークを迎え、その額は1500万円を超えるという。

「55歳から57歳で役職定年を迎え、年収が減りますが、それでも1割程度。私は55歳で関連会社に出向しましたが、やはり年収は1割減っただけ。出向先で定年退職を迎え、約4000万円の退職金をいただきました。昔はメガバンクの給料が高くて羨ましかったのですが、これで生涯賃金では並んだと思います。

その後は本体に戻って再雇用され、別の関連会社に勤務しています。給与は月額25万円程度ですが、すでに老後資金のメドは立っています。家にいても退屈なので、週に3日くらいは仕事をしたいだけです」(60代前半・大手生保OB)

総合商社の雄、三菱商事も恵まれた50代、60代を過ごせるようだ。

「50代の管理職になると、年収は1700万~2500万円。60歳以降、希望者は1年ごとの契約で再雇用されます。年収は3分の1以下になりますが、元が高いですからね。年収500万円程度で、総合職の約7割が再雇用を選択しています。

年金も手厚いですね。私は公的年金と企業年金を合わせて月額40万円くらいもらっています」(60代・元三菱商事社員)

'20年の東京五輪に向けた建築ラッシュに沸く建設業界では、50代からの働き方に如実に変化が現れ始めた。

「以前は50代後半で転籍になって給料激減。65歳までの雇用延長もありましたが、給与は半分以下になりました。ところが現在、ゼネコン業界はどこも人手不足ですから、待遇は改善されています。3割減程度で再雇用されるケースもあるといいます」(60代半ば・大成建設元社員)

日本航空とANAはどっちが得?

インバウンド(訪日観光客)需要で活況を呈する航空業界。日本航空では機長職に対して雇用延長が導入されたという。

「LCCの台頭で世界的にパイロットが不足しています。そのため、今年の春から機長職は希望を出せば65歳まで乗務延長されることになりました。賃金は以前の給与の6割程度。ただ、客室乗務員にはこの制度はありません」(日本航空・現役機長)

ライバル会社であるANAホールディングスには一風変わった「転職」制度がある。「管理職転身支援制度」と呼ばれるものがそれで、50歳以降、転職・独立をするためなら、最長5年間休暇を取れるというもの。その間、基本給の約3割程度を支給するという。転職を現実的に考えるなら、もってこいの仕組みだ。

50歳をすぎてもバリバリ第一線で働き続けられる企業もある。それがともに化学業界の信越化学工業と東ソーだ。

「うちは90歳を超える金川千尋会長が健在で実権を握っている会社ということもあり、特殊です。今年6月に退任した森俊三前社長も78歳という高齢でした。

そんな会社だけに60歳を過ぎている部長も普通にいますし、50歳どころか、60歳を過ぎてもガンガン働いている。人事システムが謎なのですが(笑)、年齢で区切らずに仕事ができる人には活躍してもらう会社なんだと思います」(40代・信越化学工業社員)

「東ソーは50代での出向もありますが、行き先はグループ会社で給料が下がることはありませんし、むしろキャリアは上がっていく印象です。

福利厚生についても他社さんより手厚い。『アクティブ50』という制度があり、50歳になると10日間の連続休暇と30万円相当の旅行券がもらえます。少し羽を伸ばして、またどんどん働いて欲しいという意味合いがあります。もちろん、本人の希望があれば、65歳まで全員雇用で残れます」(40代・東ソー社員)