こんな簡単な体操で腰痛が治っちゃうの? 驚きの「よみがえり体操」

プロの整体師が教えます
鄭 信義

「スクワット」は危険⁉

一般に、太ももの前側の筋肉「大腿四頭筋」を鍛えるのに効果的な運動としてよく知られているのは、「スクワット」と呼ばれる屈伸運動です。

スクワットは別名「キングオブエクササイズ(筋力トレーニングの王様)」といわれています。なぜ、筋トレの王様なのかといいますと、身体の約70%の筋肉が下半身に集中していて、スクワットはその下半身のほぼすべての筋肉が鍛えられるからです。正しいスクワット15回は腹筋500回の運動量に相当するともいわれています。

筋力アップや体力づくりのために、ご自分流のスクワットを日課にする有名人はたくさんいます。舞台の上でやる「でんぐり返し」が人気を呼んだ女優の森光子さんは、健康管理のために朝晩スクワットを行っていたそうです。

女優や司会者として知られている黒柳徹子さんも、寝る前に必ずスクワットを行っているとご自分の番組で話していました。

歌手の八代亜紀さんはスクワットを1ヵ月間続けたことで、ウエストが8㎝も細くなり、体重も3㎏ほど落ちたそうです。女優の吉永小百合さんもスクワットを日課にしていると、記事などで読んだことがあります。

モデルさんが、お尻のキュッと上がった美しいプロポーションをつくるために、エクササイズにスクワットを取り入れているのはいうまでもないこと。スポーツ選手がパフォーマンスを向上させたいときにもスクワットは必須です。

また、筋トレの本には必ずスクワットの情報があります。スクワットは下半身の筋力アップだけでなく、スタイルアップやパフォーマンスのアップ、さらにはむくみの解消などにも効果を発揮する万能なトレーニングですから、人気があるのもうなずけます。

しかし、正しいスクワットを行うには、「立った姿勢からお尻を出しながら腰をグーッと深く落とし、元の立った姿勢まで戻す」のが基本です。相当ハードな運動なので、一般の人が正しく行うにはかなりの体力と筋力が必要です。

間違えたやり方のスクワットでは、いくら回数を多くやっても、長期間やっても、効果は期待できません。たとえば、腰を落としたときに膝がつま先より前に出る人は多いのですが、これは膝や腰を痛める原因です。鍛えていると思っても悪影響を及ぼすことがあるので要注意です。

また、すでに筋力が低下した人には、適した運動とはいえません。むしろ転倒する危険があります。足腰を鍛えようとして転倒、骨折し、結果として足腰が弱ってしまったり、寝たきりや認知症になるようでは、まさに本末転倒です。

それを証拠に、病院や医療機関、施設などのリハビリなどではあまり取り入れられていないのが実情です。

でも、「よみがえり体操」ならやり方を少し変えるだけで、正しいスクワットとほぼ同じ効果を得ることができます。

 

歩行に必要な筋肉が丸ごと鍛えられる

僕が考案した「よみがえり体操」は、筋力の低下した高齢者でも安全にできて、スクワットのように太ももの前側を効率よく鍛えられます。筋トレですが、つらい動作はいっさいありませんから、誰にでもらくらくできます。

この図は「よみがえり体操」の動きを表したものです。正しいスクワットと比べてみてください。一目瞭然で、動きがとても小さいことがわかります。椅子に浅く座った姿勢から腰を浮かせるだけで、立ち上がる必要はありません。

たったこれだけでいい、世界一簡単な運動ですから、誰でもらくらくできます。膝がつま先よりも前に出ることはありませんし、体幹(胸、腹部、背中、腰、臀部などの体の根幹となる部分)が安定しているので、後ろに転倒する心配がありません。足腰の弱った人でも安心してできます。

しかも、正しいスクワットと違って腰を深く落とさなくていいので、膝関節に体重がのりません。そのため膝関節にほとんど負荷がかからず、変形性膝関節症の人でも痛みなく筋トレできるのです。

本来、弱った筋肉を効率よく鍛えるには小さな負荷の運動を何十回も繰り返すことが有効だといわれています。「よみがえり体操」は腰を浮かせるだけの運動を30回×3セット繰り返すだけですから、理に適った運動です。筋肉を鍛える効果では正しいスクワットに負けないことは、当院の患者さんも実証してくれています。

また、超ご高齢で筋力がかなり低下した人でも心配はご無用です。テーブルなどに手をついて行えば、転倒することはないので安心して行えます。

ぜひ、みなさんの生活習慣の一つに取り入れることをおすすめします。

腰を一瞬浮かせるだけで、転ばない体になる、膝・腰の痛みが取れる!「よみがえり体操」を解説します。
鄭 信義(チョン・シニ)
1982年、兵庫県に生まれる。整体師。「リラクゼーションサロン 御影フィール」院長。指圧師に師事した後、専門学校にて学術的な知識を深める。さまざまな店舗で店長を務めながら、専門学校で非常勤講師としても活躍。「ストレスの緩和」を目的としたリラクゼーションサロンを神戸市に開院し、14年間で2万人以上の施術をしている。東京や海外からも患者が押し寄せ、常に1年以上先まで予約が埋まるほどの人気。現在は高齢者の寝たきりの予防、終末ケアなどにも取り組んでいる。真宗大谷派僧侶。著書に『“スマホ首”があらゆる不調を引き起こす! 30秒ストレッチで簡単改善』(講談社)、『30秒ストレッチで楽になる! スマホ首のほぐし方』(宝島社)がある。