いまだヤンキー王国!群馬・栃木・茨城「北関東三兄弟」がおもしろい

それぞれの言い分
週刊現代 プロフィール

群馬や栃木の人たちは、茨城のことを『納豆しかない』とか言ってるらしいけど、群馬も栃木も眼中にない。ついでに埼玉も。だって、茨城には彼らには決して手に入らない海があるんですよ? 東京まで行くのにかかる時間も群馬・栃木よりぜんぜん早い。

まあ、水戸にヤンキーが多いのは否定できないですけど。いまだにリーゼントに特攻服姿の子をよく見かけるし、河原で警察と暴走族が乱闘して、警官を那珂川に投げ込んだなんて話はしょっちゅう聞きますから」(水戸市在住の40代女性)

なんとなく、「北関東はヤンキーだらけ」というイメージを持つ日本人は多いが、実はそれを裏付ける証言もある。かつて全国のヤンキー少年少女を熱狂させた雑誌「ティーンズロード」元編集長で、ミリオン出版元社長の比嘉健二氏が言う。

「私が全国の暴走族を取材してきた経験から言うと、北関東は全国有数の族が多い地域でした。

中でも圧倒的に多かったのは茨城。次が栃木で、群馬は北関東では最も少なかったですが、それでも他地域に比べると多くて、前橋や太田の周辺に特に集中していました。

また、北関東3県は、自家用車を持っている人の割合が日本一多いエリアでもあります。人口1000人あたり、群馬が677台で1位。2位の栃木が658台、3位が茨城で653台と、北関東3県がトップ3を占めている。『一家に3台は車がある』と言われています」

 

三兄弟の共通の「敵」

全国で最も車を持っていない東京都民の自家用車保有台数は、1000人あたり231台で、トップの群馬の約3分の1。日々の暮らしに車がなくてはならない北関東の人々と、めったに車に乗らない人も多い東京都民のライフスタイルは、もはや「別の国」と言っても過言ではないほどにかけ離れている。

また、群馬・栃木ではコンビニといえばセーブオン(本社:前橋市)だが、確かにその広い駐車場には、車高を下げたシャコタンのミニバンや、他の地域ではめったに見ることもなくなったデコトラ(煌びやかな電飾を施したトラック)が停まっていることも多い。

「北関東では外車や高級車の保有率も高いように感じます。私見ですが、暴走族を卒業しても車にこだわる人が多いのではないでしょうか。

昔はベンツ、国産のセンチュリーやクラウン、シーマが人気でしたが、最近はトヨタのアルファードのような、強面のミニバンが人気だそうです」(前出・比嘉氏)

結局、「北関東三兄弟」は似た者同士であるがゆえに、お互いに「オレが一番ダッペ」と言い張っているのかもしれない。

ただ、普段は何かといがみ合っている三兄弟にも「共通の敵」がいる。埼玉県だ。

「埼玉県民は『埼玉はほとんど東京』とか言ってるけど、違んべな。百歩譲って大宮と浦和だけでしょ。狭山に秩父に、埼玉の大部分は『ほとんど群馬』だんべ」(前橋市在住の60代男性)

「栃木と同じくらい田舎なのに、『ウチは都会です』って顔するのが気に食わない」(前出・宇都宮市在住の40代男性)

「埼玉には海があんめえ(ないでしょ)」(水戸市在住の50代男性)

他県に住む人にとっては、北関東はまさに「日本の死角」。そこでは、もはやこの3県でしか生き残っていない、ヤンキー的プライドを懸けた知られざる戦いが繰り広げられている。

「週刊現代」2016年10月8日号より