空中分解の可能性も

そんななかで、安倍首相は今後の議論の順番として9つを挙げた。
 
1番目 同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善
2番目 賃金引き上げと労働生産性の向上
3番目 時間外労働の上限規制の在り方など長時間労働の是正
4番目 雇用吸収力の高い産業への転職・再就職支援、人材育成、格差を固定化させない教育の問題
5番目 テレワーク、副業・兼業といった柔軟な働き方
 
6番目 働き方に中立的な社会保障制度・税制など女性・若者が活躍しやすい環境整備
7番目 高齢者の就業促進
8番目 病気の治療、そして子育て・介護と仕事の両立
9番目 外国人材の受入れの問題
 
この順番からも明らかなように、まずは働く人たちの待遇改善に着手しようとしている。企業経営者からすれば、こうした待遇改善ばかりが進み、終身雇用年功序列などの日本型雇用慣行が残ってしまえば、生産性を向上させることは難しいと感じるだろう。

アベノミクスの4年弱で企業収益が大幅に改善、内部留保も過去最高になっていることから、すぐには文句を言わないにしても、左寄りの政策だけで終わりそうな気配になれば、会議は空中分解することになりかねない。
 
もちろん、企業は今猛烈な人手不足に直面しており、今後も採用難が続く。そうした中で、現状の働き方を維持していれば、若者が採用できなくなる時が来るという危機感がある。だからこそ、最低賃金の引き上げにも、非正規雇用の処遇改善にも、これまでになく協力姿勢を取るだろう。
 
今後どんな具体的な施策が出て来るのか。それを安倍首相はどうさばき、従来の労働組合や企業の論理の枠から解き放って、構造改革を進めていくのか。議論の中味に着目したい。