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チーム小池百合子、次なる標的は「都庁役人の天下り」

腐っているのは地下水だけじゃない
週刊現代 プロフィール

これで都議選に勝つ

「都の職員には優秀な人もいますし、民間企業に再就職した人まで、全部が全部天下りだと言って潰すわけにもいかないかもしれません。ただ、外郭団体に都の幹部を次々と再就職させ、巨額のカネを投じるというのは、税金の『二重遣い』と言われても仕方がない。

あくどいのは、外郭団体には必ずしも都庁を退職しなくても行けるんです。建前上はいったん退職したことにして、任期が切れるともう一度都庁に戻ってくる『天戻り』までまかり通っている。外郭団体を『都の財産だ』と強弁して温存するなら、そこまでして都の幹部を就職させるのではなく、せめて民間の雇用の受け皿に使えばいいはずです」(自由を守る会都議の上田令子氏)

外郭団体の中には、都庁から回ってくる仕事をただ口を開けて待っているばかりか、本当に役に立っているのかどうか、かなり怪しい企業も少なくない。

前出の柳ヶ瀬都議は、監理団体の「業務丸投げ」問題を以前都議会で取り上げたことがある。

「東京都交通局が管理している日暮里・舎人ライナーでは、車両の保守をA社という企業に頼んでいたのですが、あるとき、東京都が100%出資している東京交通サービスという監理団体に契約先が変更された。ところが、実はこの東京交通サービスは、A社に業務を全て丸投げしていた。

つまり、間に無理やり割り込んでピンハネしていたということです。たまたま監査を行ったから明らかになったのですが、きちんと監査を受けている外郭団体はほんの一部。まだまだ氷山の一角ですよ」

都の役人たちの天下り先は、こうしたいわば都庁の「取り巻き」のような外郭団体だけにとどまらない。実はもっとも大きな天下り先なのが、いわゆる「公益団体」だ。

東京都医師会、東京都教職員互助会、東京建設業協会、東京食肉市場協会、東京電業協会といった社団法人の理事などのほか、関東学院大学、明海大学といった私立大学の教授に就く者もいる。

もちろん、外郭団体や公益団体には当てはまらない、民間企業への天下りも忘れてはいけない。

'14年下期から'15年上期に民間へ再就職した都庁役人は17名。内訳は、新宿地下商店街の新宿サブナード、都市計画コンサルティング会社の昭和、東武鉄道、東急不動産などである。前出の東京ガスも、東京都が大株主というわけではなく、外郭団体とは異なるのでこちらに入る。

監理団体・報告団体・公益団体・民間企業などをすべて合わせると、1年で89人もの都庁幹部が天下っていることになる。

小池氏は早くも「政治塾」を設立し、10月に予定されている衆院東京10区補選に間に合うよう、新党結成の準備に入った。彼女がその先に見据えているのが、来年7月に行われる都議選だ。

豊洲の問題を年明け前後までに片付けたら、東京五輪関係の利権にも目を配りつつ、今度は都庁の役人たちの天下りをぶっ潰す——。この小池氏の目算通りにいけば、抵抗勢力と化した都議会も、思う存分引っかき回せる。都庁の既得権益を、一挙に叩きのめす姿を都民に見せれば、都議選での「小池新党」の圧勝が望めるだろう。

「小池さんは、東京で一世一代の大勝負に出た。もしこれに勝ったら、やっぱり国政に戻って、第三極の顔となって総理を目指すつもりでしょう。安倍総理も、そこまで読んだ上でいまは静観しているのではないか」(自民党衆院議員)

チーム小池の勢いは、誰にも止められないのか——東京を舞台に、長く激しい嵐の時代が始まろうとしている。

「週刊現代」2016年10月8日号より