神様に祈るしかありません。
国連がPKOの増員を決定したばかりですから、いつか必ず、現場は、小康状態になるはずです。それまで、自衛隊が、武力で住民を守らなければならないような状況に遭遇しないことを祈る。それしかありません。
そして、なんとか持ちこたえて、その小康状態が訪れたら(その時には国際人道主義も少しは余裕があるはずで)今度こそ、チャンスを逃さず、自衛隊を一旦、完全に撤退させましょう。
ここまでのプロセスを、懺悔と共に、与野党が合意するのです。
そして、PKO派遣5原則を見直す国民的議論をしましょう。
「9条を護る」とはどういうことか
繰り返しますが、今PKOに加わることは、「紛争の当事者」になることを前提としなければなりません。
それは、つまり、「敵」を見据え、それと「交戦」することです。9条が許しますか?
これは9条の問題なのです。
二つしかオプションはありません。
① 変貌したPKOに自衛隊を参加させるのだったら、9条を変える。
② 9条を変えないのなら、自衛隊は絶対にPKOに行くべきでない。
これを国民が決めるのです。
これこそを、与野党は、政局とするべきなのです。
その際に、特に憲法9条を大切に思っている皆様に考えていただきたいことがあります。
南スーダンのあるアフリカのこの一帯は、すべて、原油、レアメタル、ダイヤモンドなどの資源国です。
内戦状態のこういう国から、資源がなぜか我々一般消費者の元に届くのです。密輸されたものです。そして、この利権が内戦の原因なのです。
欧米では、こういうものを「紛争資源」「紛争レアメタル」「紛争ダイヤモンド」と呼んで、業界そして消費者自身の自主規制の運動を始めています。

内戦の原因となる地下資源をマーケットから排除する取り組みがなされているのです。アメリカでは、それをすでに法令化し、EUでも同じ動きがあります。
日本はどうか。全く、悲劇的に、遅れているばかりでなく、日本のメディアは報道すらしません。
メディアの責任か? 我々視聴者が、それに興味を示さないかぎり、営利企業であるメディアは報道しません。
日本は、「紛争資源」を無批判に消費する、数少ない先進国の一つになってしまいました。日本国憲法の前文でいう「名誉ある地位を占めよ」とは、こういうことなのですか?
我々は、今度こそ、本気で、「9条を護る」とは、どういうことか、考えなければなりません。