香港「ケージ・ハウス・スラム」に丸山ゴンザレスが潜入!

クレイジージャーニー裏日記⑦
丸山 ゴンザレス プロフィール

住人発見!

イスラム教を思わせる服を着た男性で、一見して香港人でないことがわかる。日本から来たジャーナリストであると名乗って話を聞くと、警戒心をのぞかせつつも応じてくれた。

「どこから来たんですか?」
「インドネシアです。仕事で来たんですが……何を聞きたいのですか?」
「ビルの屋上に小屋があって、そこに人が住んでいると聞いたもので。それを取材に来たのです」
「私は普通にこのビルの人に借りました。おかしなところはないですよ。電気も通っていますし、家賃も払っています」

「家賃っていくらぐらいなんですか?」
「2000HKドルです。もういいでしょ。用事があるんです」
 警戒心を解くことなく立ち去っていった。

彼が口にした家賃は、日本円でおよそ26000円。香港でまともな家に住むとなれば、15~20万円は余裕で必要となる。相場からすれば相当安いものであった。気になったのは、彼が家賃を支払っている相手だ。このビルには入り口に立っている人はいなかったが、奥まったところに管理人室のようなところがあったのを覚えていた。そこで話をきいてみることにした。

「屋上の小屋に住んでいる人たちがいますよね。あの人たちって家賃を払っているんですか?」
「あそこはスペースが空いているからね」
 
どうやらビル側も把握しているようだった。しかし、それ以上のことはなにも教えてくれなかった。やはりなにかを嗅ぎまわっていると警戒されたようだ。だが、屋上スラムの実態もある程度だが、解明することができたように思う。

空いた場所を有効に活用しているのであって、あくまで合法的に低所得者や出稼ぎ労働者が暮らしているということなのだろう。ある意味では収入の少ない人々への自然発生的な救済措置とでもいうのだろうか。

だが、実際に訪れてみた人ならわかると思うが、香港と貧困は観光客ではなかなか結びつかないところもあるだろう。そこで、次回は香港で暮らす低所得者の生活を別角度から知るために、彼らの生活を支える「裏仕事」についてリポートする。より深い香港の闇を知ることができるはずだ。

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