DMM亀山会長に田原総一朗が聞く「お金儲けのコツと楽しさ」

生き残りやすい分野で勝負する
亀山 敬司, 田原 総一朗

亀山:歳を取ると気力も知力も体力もなくなってくるし、大体老いぼれてくるじゃないですか。それでも頑張って仕事を続けて、会社がちょっとずつ伸びていくと嬉しいですよね。守りに入ってリストラするよりも、どんどん社員が増えていくほうが楽しいですよね。

だから、今稼ぎがあるうちに何か新しいことをやっていこうと思っているんです。いま成功しているビジネスもいずれはダメになっていくものなんですよ。そのときに、新しい事業をやっておくと、一応会社全体としては生き延びることができるんです。

田原:オンライン英会話は儲かっているんですか?

亀山:まだ儲かってはいないんですが、未来はあると思います。オンライン英会話自体が儲かるというよりも、それで世界中にネットワークが広がって、将来につながってくる。次に新しいビジネスを始めたときに、そのネットワークで商売ができる。

アフリカも今なら政府の偉い人にも会えてコネもできる。それが後々価値を生み出すなら、ちょっとくらいお金が儲からなくてもいいんですよ。うちのスタッフが大統領と知り合いだとか、そういう種類の資産は、キャッシュよりも有効だと思いますね。

「アダルトは強みにもなります」

エロには金を払う

田原:なんで亀山さんのところの若い連中は、チャレンジするモチベーションが旺盛なんですかね?

亀山:何でも任せてくれるからじゃないですかね? 僕はあんまり口は出さない。失敗したら引き揚げろとは言いますけど、やり方についてはあんまりうるさく言わないです。失敗しても「次のチャンスまでにもう一回修行して出直してこい」という感じです。ペナルティはないですね。成功したらもちろん出世させます。

田原:DMMみたいにいろいろチャレンジしていく会社でも、従業員が3000人近くなってくると大企業病みたいなものはないんですか?

亀山:最近ちょっと出てきましたね。新卒で若い世代の社員が入ってきたのですが、空気を読むところがあります。結構煽らないとダメですね。今の若い人たちはビビったり遠慮したりするんです。

そういうときには、外部の活きのいい連中を集めてチャンスを与えるんですよ。彼らが好き勝手にやっているのを若い人が目の当たりにすると、「ああ、俺たちもあんなふうにやってもいいんだ」と肌でわかるんです。

田原:DMMがすごいなと思うのは、有料課金に成功したことですよね。ネットのビジネスって大概有料課金には成功していない。多くは広告収入でマネタイズしています。DMMはなんで有料課金に成功したんですか?

亀山:まあ、エロだったからじゃないですか? (笑) エロって基本的に広告は取れない代わりに、そのためならお金を払おうという人が多いんですよね。正直言って、ネットでマネタイズするならエロが手っ取り早いですよ。

田原:アダルトをやっていると、品が悪い会社だと思われませんか? なんで亀山さんはアダルト動画をやるのに抵抗がなかったんですか? 普通は二の足を踏むところなんだけど…。

亀山:そこはたしかに苦労しますね(笑)。

元々うちの親父もカメラ屋やレストランなど、いろいろな事業に手を出す人間で、一時期キャバレーをやっていたんですよ。昔のキャバレーってワケアリの女の子たちがやっていることが多かった。うちにも住み込みのお姉さんたちが同居していて、子供のころはお姉さんたちの世話になっていました。

だから、アダルトビジネスにもまったく抵抗がなかったし、親からも全然反対されませんでしたね。「ああ、いいんじゃない?」みたいな感じでした。

別にアダルトが好きだというわけでもないんですが、逆に言うとアダルトは強みにもなりますよね。それこそAmazonやAppleが進出してこないアダルトみたいな分野で勝負したほうが生き残りやすいからです。

お金は何かに使いきってしまおう

田原:ところで亀山さんには趣味があるんですか?

亀山:趣味はぶらっと一人旅をするくらいですね。海外に行って、ほとんど何もしないでボーッと過ごしています。結構昔から一人旅が好きで、25年前にユーゴスラビアなんかにも行きました。ちょうど戦争していた時期ですね。ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争なんかのちょっと前です。現地で自転車を買って、それでずっと旅をしていました。途中、スパイ容疑で捕まったりもしましたけどね(笑)。

田原:インターネットで稼いで、次のビジネスに展開するというやり方はこれからも続けていくんですか?

亀山:どこかのタイミングで今度は稼いだお金を使ってしまおうかと思っています。どこかに会社を買ってもらったら、カミさんにはいくらか残すとしても、その売却益は何かに使いきってしまおうかなと。何に使うかはまだ決めていませんが。

自分で学校を作って校長先生になるのも楽しそうだな、と思いますが、まだぼんやりとしかイメージしていませんね。でも今はまだ仕事を続けていくので、ちゃんとお金を稼いで利益を上げることが中心です。まだ10年くらいは仕事をやっていると思いますよ。あとは人生の後半をどうしようか、考えているところです。