“新・経営の神様”稲盛和夫が明かす「日本企業、大復活のカギ」

日本を「幸せに導く」方法とは
週刊現代 プロフィール

7月13日、14日の2日間、横浜国際平和会議場(パシフィコ横浜)の国立大ホールを約4800人の大観衆が埋め尽くした。稲盛氏が塾長を務める経営者向けの私塾「盛和塾」が年に一度開く世界大会である。

参加者の大半が中堅、中小企業の経営者たちだが、他にも横綱の白鵬、サッカーの元日本代表監督、岡田武史氏、柔道のオリンピック金メダリスト、山下泰裕氏などが塾生に名を連ねる。

現在、塾生は1万1000人(企業数で約1万社)。日本の塾生が約7600人、中国が約2700人。このほかブラジル、アメリカ、台湾にも会員がおり、塾生企業の売上高を合計すると30兆~40兆円規模に達すると見られる(本誌推計)。

1万1000人が学ぶ稲盛流経営の威力とは、どんなものか。東京江東区で看板施工事業を展開するgCストーリーの西坂勇人社長は6年前に盛和塾に入塾してから「年10回の塾長例会を一度も休んだことがない」という熱烈な信奉者。

「入塾するまで経営の目的がはっきりしなかったが、稲盛塾長の話を聞いて、ウチの会社の目的は『人の役に立つことだ』とはっきりした。社員が働きがいを感じるようになり、定着率も上がった」

稲盛氏は、このような中小企業の経営者たちに熱烈な支持を受け続けている。

JALが目覚めた日

盛和塾は30年以上も続いていますね。

稲盛 日本のサラリーマンの99%は中堅・中小企業で働いている。彼らが一生懸命働いて心を高めれば、きっと日本はよくなるはずです。

一方、JAL(日本航空)のような大企業を再建するときも、私にできる話は同じで、我欲を抑えて仕事に邁進するということでした。

JALには高学歴で才のある人が大勢いて、最初は私の話など聞こうともしませんでした。私はエアラインの仕事に関しては全くの素人で、専門的な話はできませんから、役員など幹部を集め、人間性の大切さを諄々と説き続けました。

するとある日、古株の役員が言ったのです。「会長が言うように、人間として正しいことをやっていたら、JALはこうならなかったかもしれない」と。その日を境に、JALの人々に私の話が染み込むようになりました。今では社員が一丸となって素晴らしい経営をしてくれています。一人一人が人間性を磨けば、会社は必ずよくなります。JALの業績は見違えるように良くなりました。