急増する「ブラックバイト問題」〜学生の未来を奪うほどの驚くべき実態

長時間労働、賃金未払い、セクハラ…
大内 裕和 プロフィール

労働法の知識があれば……

では、ブラックバイトを無くしていくにはどうしたらよいか。

まず、ブラックバイトを解決すべき社会問題であるという認識を広げることである。授業のコマ以外は給料が支払われない「コマ給」が問題となった塾業界に対して、厚生労働省は2015年に適正に賃金を支払うよう要請を行った。

このことにより、コマ給システムの変更や未払い賃金の解消など、事態の改善が進んでいる。ブラックバイトが社会問題であるという認識を広げ、労働組合や政府が解決に向けて積極的に動き出すことが必要である。

次に、高校や大学における労働法教育を普及させることである。ブラックバイトは労働法違反を含んでいることが多い。しかし、高校生や大学生の多くは労働法の知識がないために、自らが不当な処遇を受けているということ自体に気がつかないことも多い。

この状況を改善するためには、高校生や大学生が最低限の労働法の知識を身につけることが大切である。

全国で初めてブラックバイト専門の被害対策弁護団として結成された「ブラックバイト対策弁護団あいち」は、ブラックバイトの労働相談に応じるだけでなく、高校や大学からの依頼を受けて、労働法の解説を含むブラックバイトの出前講義を行っている。

こうした試みが全国で行われることが重要であるし、将来的には高校における労働法教育の必修化や大学における科目の設置など、正式なカリキュラムのなかに位置づけられることが望ましい。