PC、ネットに続く第3のIT革命「ブロックチェーン」とは何か

数ある「フィンテック」の中でも別格
池田 純一 プロフィール

多くの投資家を魅了

現在、シリコンバレーでベンチャーキャピタルのAndreessen Horowitzを主催するアンドリーセンは、2014年1月にニューヨーク・タイムズに“Why Bitcoin Matters”という記事を寄稿し、その中で、1975年のPC、1993年のインターネットの登場に続く、世界を変える第三のトンデモナイものとして2014年のビットコインを挙げている。

マーク・アンドリーセン〔photo〕gettyimages

先ほどまでの文脈で言えば、彼のいうインターネットとはウェブ、すなわちWWWのことであり、同様に、彼のいうビットコインとはブロックチェーン、すなわちWWLのことを意味する。

もちろん、ブロックチェーンだけで全ての夢が叶う魔法の技術であるわけではない。むしろ、アンドリーセンのいうような「第三のIT革命」の中核として、その可能性を検討していくうちに、技術的にはいろいろと穴だらけのものであることがわかってきた。

しかし、そのツッコミどころが満載なところが逆に、中核技術として今後の可能性を示唆している。開発の余地がある分、拡張の機会がある。伸び代がある。当然、そこにはビジネス・チャンスも埋まっている。

そして、ビットコイン/ブロックチェーンが抱える様々な問題を一つずつ解決することで亜種となるアプリケーションがいくつも開発されている。技術的な改善点に応じて分岐し変異を続けるため、一種の系統進化を継続中である。

だから、ビットコインは原初の「種(シード)」といってもよい。そのイメージが逆に、中核技術であるブロックチェーンに「成長」ないし「進化」という期待感をまとわせる。

実際のところ、「フィンテック」という短縮語が登場し、とにかく金融分野におけるITへの取り組みがあれこれ喧伝され始めたのは、このアンドリーセンの発言あたりからであったと記憶している。

つまり、ビットコインやブロックチェーンには、未完の大器としての魅力、磨けば光る原石としての蠱惑さがあり、それをWWWの立役者であるアンドリーセンが高らかに推奨することで、多くの投資家たちが魅了されてしまった。それだけの語りの魔力をブロックチェーンが持ち始めたのが2014年冒頭からのことなのだ。

その意味で、ビットコイン/ブロックチェーンは、フィンテックの中でも別格だ。ただの技術ではなく、謎かけを伴う言説へと転じている。