PC、ネットに続く第3のIT革命「ブロックチェーン」とは何か

数ある「フィンテック」の中でも別格
池田 純一 プロフィール

WWWに匹敵する無尽蔵の可能性!?

ここで注目すべきことは、上記のビットコインのシステムを維持する過程では、取引を仲介する銀行のような第三者もいなければ、新札を発行する中央銀行のような発行主体も存在しないことだ。

ビットコインが利用されることでビットコインがさらに発行される。新札発行は、公開台帳としてのブロックチェーンを作成し維持する過程で自動的になされる。この過程に何か主体が存在するかといえば、それはビットコインというシステムそのものと答えるしかない。

では、そのシステムとは具体的にはなにかといえば、ブロックチェーンを維持するための手続きの束であり、その手続きは実際には「マイナー」の任につくビットコインの利用者たちによって実行される。マイナーに向けたインセンティブも予めシステムが用意している。

こうして「中央不在」の、それゆえ「分散型」としか形容のしようのないシステムが生まれる。ブロックチェーンとは利用者によって自己進化する自律的なシステムなのだ。

この「中央不在」の「分散型」のシステムが稼働していく中核には、ブロックという記帳単位が鎖状につながった「ブロックチェーン」という共有台帳がある。しかもその台帳は、システム上に散らばる全てのマイナーたちに同期して所有されており、その意味で「公開台帳」でもある。

そこで、この公開台帳という特徴に注目し、ブロックチェーンの仕組みを先行したWWW(Worldwide Web)にちなんで WWL(Worldwide Ledger)と呼ぶ人たちも出ている(Ledgerとは台帳のこと)。

実際、WWLたるブロックチェーン技術は、WWWたるブラウザ技術に準じたものであり、WWLもWWWもともにインターネット上で稼働するための一連のルール群(=プロトコル)である。つまり、概念としては「Ledger(台帳)」が「Web(網)」に相当する。

そこから、WWWがブラウザの形で実装されてから今日に至るまで様々なウェブアプリやウェブ文化を生み出してきた驚異的な事実にならって、WWLにも無尽蔵の可能性が眠っていると期待を表明する人も出てくる。

その中核にいるのが、Mosaicという名のウェブブラウザを開発し、その後Netscapeを起業し、今日まで続くウェブ時代を立ち上げた当人であるマーク・アンドリーセンだ。