偏差値78のAV男優が語る「幸せなセックス」〜たった一回で、すべてが変わる

森林原人×二村ヒトシ【第2回】
森林原人, 二村ヒトシ

過去の傷が「一回のセックス」で帳消しに

二村: そういう話が森林君自身の耳に入るとは驚きですね。監督が言ってくるの?

森林: いえ、スタッフから言われました。「そういうことらしいよ」「ひどいね」と、ニヤニヤしながら言ってきた。それを俺に伝えるお前はもっとひどいよ、と思いましたね。

似たようなことは他にもあって、何回も傷つきました。だけどあるとき、すぎはら美里さんから突然指名されたんです。

すぎはらさんはもう引退されていますが、当時は超売れっ子で超一流の単体女優さんでした。そんな方から指名されて、それまでの傷が一回で帳消しになりました。「やっぱりわかる人にはわかるんだ!」という感動があって、それまでの二十何年間で負ってきた傷が、一回の指名、一発のセックスですべて帳消しになった。ディズニー映画のお伽話ではありませんが。

二村: お姫様の一回のキスで、野獣が王子様になるみたいな。

森林: そうです。「本当にわかってもらえた!」という感動は、人生に一回でもあればいいと思います。それだけで生きていけます。少なくとも僕は、すぎはら美里さんとの一発があるから、これからの男優人生に何があろうと、乗り切っていけると思っています。

二村: 森林君に対して「私は、この人がいい」と思った女性がいた。それはあなたの男優としての性能のすごさだけではなく、人間性が評価されたのでしょう。とにかく女性から肯定してもらえたことを、あなたは受け入れた。同じことは一般男性にも起こり得ますか?

森林: 起こると思います。二村さんは『モテと非モテの境界線』の中で「多様性を認めよう」とおっしゃっていますよね。「結婚相手は美人でなければいけない」といった発想から離れて、それぞれの人がそれぞれの価値観で好きなものを選べばいい、と。

AVの世界にもいろいろな趣味があります。単体ものを選ぶのか、マニアものを選ぶのか、フェチものを選ぶのか。それと同じように、誰かに植えつけられてしまった価値観を取り払って相手を選べるようになったら、すばらしいマッチングがあると思います。