新橋「大地主女性」が突然の失踪〜周辺開発で地価高騰の最中、ちらつく"地面師"の影

現在進行形の怪事件!
週刊現代 プロフィール

心配したAさんが警察に相談。捜索願を出して、家宅捜索が行われた。Aさんはその様子を外から見ていたという。

「愛宕署の署員がやって来て、扉を開けるとゴミが入ったポリ袋の山でした。階段にもゴミがいっぱいで、二階にも上れない状況です。署員は30分ほどなかを探していましたが、どこにも本人はいない。どこに行ってしまったんでしょう」

本誌は、Tさんの移転先の住所である大田区を訪ねたが、そこにも彼女の姿はなく、今年3月に引っ越してきた男性が住んでいるだけ。男性は、

「ここは会社が用意してくれた部屋です。Tさんという方とは面識がありませんが、その方宛ての郵便物が届くことがあります。1ヵ月ほど前、Tさんの知人と称する方が『Tさんはいるか』と訪ねてきました」

と話す。近隣の住民たちも、昨年4月以降、その部屋に60代の女性が住んでいるのを見かけたことはないと口をそろえる。

「地面師」の仕業なのか

いったい何が起きたのだろうか。警察関係者はこう推測する。

「『地面師』が不正な取り引きを行った可能性があります。彼らは、本人に成りすます、印鑑を偽造するなどの方法で不正に登記の書き換えを行い、売買をして利益を得ます。Tさんはちょっと変わった人だったから、彼女を都合よく利用しようという人間はいるかもしれない。

住所の移転は、印鑑証明を取りやすくするための常套手段。彼女が姿を消したということは、何らかの事件に巻き込まれた可能性があります」

Tさんが持つ周辺の土地は開発の影響で高騰中。'14年から'15年に公示価格は2・8%上がっている。そこに目を付けた人物がいたのかもしれない。新橋の地元不動産屋が言う。

「この辺りは、マッカーサー道路開通と虎ノ門ヒルズの開発で土地の値段が上がっていますし、周囲では再開発が頻繁に行われている。地上げに絡んで、土地の乗っ取りを考える輩がいても不思議ではない」