新橋「大地主女性」が突然の失踪〜周辺開発で地価高騰の最中、ちらつく"地面師"の影

現在進行形の怪事件!
週刊現代 プロフィール

資産家の娘として生まれたTさんは、相当な変わり者だったようだ。Aさんが続ける。

「二人で暮らしていた頃は、お母さんが部屋の片づけから料理、掃除、洗濯まで全部こなしていたから、Tさんは身の回りのことはまったくできませんでした。仕事に就いたことも一度もなかったようです。

まわりとのつき合いもいい加減。町内会で会費を集める班長の仕事をしていたこともありましたが、まったく集金をしませんでした。1年半分くらい溜まっていたので注意すると『私が立て替えときます』と言っていた」

地代による収入があったため、Tさんはおカネを持っていたが、とにかく人づき合いが不得意だった。自身が持つ土地の借主たちとの関係も悪化していったという。Tさんの家のすぐ近くに暮らし、家族が彼女と親しくしていた知人の60代男性Bさんが言う。

「20年ほど前に『固定資産税が払えない』とビルの賃料をいきなり倍近くに釣り上げたんです。突然のことに憤慨した借主たちが交渉しにいくと、Tさんは『そんな安い地代は受け取れない』と突っぱねて、大モメしたそうです」

異変を知らせる手紙

そして20年ほど前にTさんの母親が亡くなると、彼女は周囲とのつき合いをより一層拒絶するようになり、自分ひとりで野放図な暮らしをするようになった。

Bさんが証言する。

「帝国ホテルで母親の一周忌が行われたすぐあとだったと思いますが、第一勧業銀行(当時)から1億円下ろしてきて、そのおカネを鞄に詰め込み、自宅を出ていきました。それからは延々とホテル暮らしでした」

彼女は帝国ホテルやプリンスホテル、渋谷エクセルホテルといった高級ホテルを転々としていた。葉山にもリゾートマンションを持っており、そこで過ごしていたこともあるという。

だが、そうした生活のなかでも、様々なトラブルを起こしては周囲を困惑させていた。Bさんが言う。

「渋谷エクセルホテルでは1ヵ月ほど長期滞在をして部屋を汚したとかで、ホテルの弁護士がうちに『なんとかしてもらえませんか』と相談に来たこともあります。