いつまで高校球児の"肩"を酷使し続けるのか? 元大リーガーが斬る「甲子園」の大問題

「志願の連投」は美談じゃない!
長谷川 滋利 プロフィール

ファンも見方を変えるべき時

話を甲子園に戻しますが、大前提として球児の育成と強化の舞台でなくてはならない。我々の楽しみが先に来てはいけないのではと、ここ10数年の熱狂ぶりを客観的に見ていて感じます。

日本のファンはどうしても「悲劇のヒーロー」的な存在が好きで、報道も「鉄腕エース延長15回投げ抜いた」「熱投180球」なんていうのも美談として見出しになりがちですが、「ガラスのエース」なんていう存在はあってはいけないものですし、「志願の連投」を止めるのが大人の役割なのではないでしょうか。

もちろん、そこには様々な事情があるのは僕も承知しています。私学は彼らを広告塔として使って進学志望者を獲得する、という経営方法を採っているのですが、少しだけ目先を変えて「エースの連投を避け、敗れはしましたが、我々は選手の将来を第一に考えています」という宣伝の仕方にすれば、訴えるところは大きいのではないでしょうか。

同時にメディアも「素晴らしい監督の指導で高校野球はそうあるべきだ」という記事も積極的に配信すべきです。

甲子園の存在は素晴らしいもので、そこを目指してきたからこそ、今の日本の野球が存在することは否定しません。

ただ、未来ある高校生がその先のフィールドでまた活躍できるように、我々ファンも考え方を変えるべきだと僕は思っています。この夏、少しだけそこを意識して甲子園を観戦してみてください。