日本人女性の国民病「バセドウ病」「橋本病」の恐怖〜もし妻がなったら、この薬と手術はやめたほうがいい

副作用で心不全のリスクも
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また、甲状腺に関係して発症する疾患として、ほかに、がんや良性の腫瘍がある。喉ぼとけの周囲にしこりができ、ものが飲みこみにくくなったり、首が太くなったりといった症状が出る。

腫瘍があることが分かると、医師は「全摘出手術」を勧めることがしばしばある。

しかし「医師の言うことだから」と、言いなりになって安易に手術を選択する前によくよく考えたほうがいい。埼玉県に住む40代の女性は、全摘出を後悔している。

「私は2年前に甲状腺にしこりができ、担当の医師から全摘出をするように言われました。こちらが相談しても、あまり話を聞いてくれない医師で、その時も『実際に取ってみるまで、良性の腫瘍か悪性の腫瘍かは分かりません。

でも大体の場合は摘出をしますので、手術をするのがいいと思います』と、淡々と言っていました。機械的に手術を決められた印象があります」

安易な「全摘」は危険

結局、摘出手術は成功したが、女性の体には別の異変が現れはじめたという。女性が続ける。

「手術後、白髪や抜け毛が増え、嘔吐や下痢に悩まされるようになりました。薬を飲んでも改善しないし、倦怠感もひどく、スーパーに買い物に出るのにも、体を引きずるようにしなければならないという有り様でした。

甲状腺はホルモンをコントロールする器官ですから、摘出すれば体に異変が起きることくらい、医師はよくわかっていたはずです。でも詳しい説明はまったくありませんでした。

しかも、腫瘍は取ってみたら良性でした。焦って摘出しなくてもよかったし、薬での治療という選択肢もあったはずです。もっと別の解決策を提示してくれてもよかったんじゃないでしょうか」

藤田保健衛生大学の堤寛教授は、安易な甲状腺の全摘出手術に疑問を持っているひとりだ。

「甲状腺がんは、ほかのがんに比べて進行が遅く、約9割が放っておいても大きくならないし、転移もしにくい。転移していても10年以上生きる人が少なくない。直接命に関わらないものが圧倒的に多いのにもかかわらず、簡単に手術をするのはどうかと思います。

私の知り合いでも、甲状腺を全摘出した若い女性がいましたが、手術後、彼女は朝晩ホルモンを補充するための薬を飲み続けなければならなくなりました。飲みすぎると興奮するし、飲み足りないと眠気が襲ってくる。時間が経てば少しは薬に慣れますが、基本的には薬を飲むのをやめれば代謝の機能がおかしくなってしまうので、一生飲み続けなければなりません。QOL(生活の質)は低下してしまいます」

甲状腺の手術は出血も多く、難しいという。そうしたリスクを負ってまで手術の必要があるかは疑問だ。