人生の「成功」をつかむにはコツがあった!私たちはなぜ、社会の「バカバカしさ」に負けるのか

アメリカンジョークに学ぶ「人生の教訓」
真梨 幸子

介した人の数だけ「エラー」が増える

今年で、52歳。生まれて半世紀が過ぎた今、私がたどり着いた答えは、こうです。

「幸せ」も「成功」も、その本質はとてもシンプルで単純なんではなかろうか?もっといえばそれを摑むのは案外簡単で、ひょいっとひとっ飛びできるんではなかろうか?

それなのに人間は、知恵の輪のごとく物事を複雑怪奇にこんがらがらせないと気が済まない生き物らしく、すぐそこにある「幸せ」や「成功」を手に入れるために、わざわざ阿弥陀籤のような迷路を作ってしまうものです。

例えばAさんからBさんに何かを届ける……という単純な案件なのに、AさんからCさん、Dさん、Eさん、Fさんを経由してさらにGさんを迂回して、それからいったんZさんに飛んでようやくBさんに届ける……というバカバカしいシステムや段取りを経験したことはないでしょうか?

私はいくらでもあります。先日もある案件をたらい回しにされ、結果、大きな失敗に巻き込まれてしまいました。

こういうバカバカしくも複雑なシステムに共通するのは「エラー」です。そう、「ミス」です。伝言ゲームと同じで、介入した人の数だけエラーが積み重なり、出発点から終点に到達するまでに情報も物事もすっかり変貌してしまうものです。

そう、さながら、コピーのそのまたコピーのそのまたコピー……というような、アナログコピーを数百回ほど繰り返した文字のごとく、原型から程遠い、別の何かになってしまうのです。

にもかかわらず、世の中には伝言ゲームのようなシステムがごまんと存在し、それがなくなる気配もありません。だから、なかなか「核心」も「真実」も見えてこない。そしてついには、自分がいったい何をしているのか、そもそもどこにいるのかすら分からなくなってしまうのです。

それでも人は、迷路を作り、物事を複雑にこねくり回し、混乱を招くことをやめません。もともとは一本の糸をぐちゃぐちゃにこんがらがらせて、いくつもの糸が絡まっているように見せてしまうのです。

私が失敗した理由は』も、そんな「糸」のお話です。

「幸せ」と「成功」を目指した人々が、それを目指せば目指すほど糸をこんがらがらせていく、そんな残念でバカバカしいお話です。

読書人の雑誌「本」2016年8月号より