最強の情報参謀が緊急レポート!報道占有率でわかる参院選「無風」の正体

結局、自民勝利の理由はマスゾエだった?
小口 日出彦

異常な傾向

それにしても、未だ評価しづらいのは、報道における「都知事選」の扱いの様相である。

実は、舛添氏が辞任した後も「次の都知事は誰か」がずっと政治報道の中心に居座っていた。このトピックは、参院選を戦う個々の政党やその候補者の活動を直接妨害するものではないが、「国政選挙である参院選の存在感を霞ませる」大きなノイズとなった。

前のページの図を再びご覧いただきたい。6月28日から7月4日の週には、小池百合子氏の都知事選出馬表明をトリガーに、その関連トピックがトップニュースにからみつくように上位に居る。参院選最終週の7月5日から7月11日の週も4日連続して都知事選関連のトピックがトップニュースを占めた。

こうした報道分析データに日常的に接している筆者でも「どうしてここまで…」と首を傾げたくなるような異常な傾向であった。

こうした事態がどのようなメカニズムで起こるのか、そのメカニズムにはどのような力がどのように作用しているのか、あるいはメカニズムをうまく利用して優位に立つことはできないのか――。そうしたナゾを解き明かす一助となるドキュメンタリーを近著『情報参謀』7月20日発売)に記した。

2009年夏に大敗した衆院選から2013年夏にねじれ解消した参院選まで、野に下った自民党で「政権奪還」を実現した情報分析や情報表現活動を初めて世の中に明らかにした内容である。筆者はこの間、傭兵ながら自民党本部の「情報参謀」役を務めた。政治に関心がある方はもとより、関心がない方にも、必ず「面白く読める」はずである。手に取っていただけたら、たいへん嬉しい。

なお、ここで明確にしておきたいが、筆者は、安倍政権と自民党の支持者である。現在でも求められれば、助言や情報分析の助力をしたりすることもある。なぜ安倍政権と自民党を支持するのか――その理由も『情報参謀』に記してある。

自民党はいかにして、政界の情報戦を制したのか。その秘密が、ここにある。(amazonはこちらから)
小口日出彦 1961年生まれ。慶應義塾大学卒業後、株式会社コスモ・エイティ、日経BP社ニューヨーク支局特派員、日経E-BIZ編集長、日経ベンチャー編集長(現・日経トップリーダー)編集長などを経て、2007年、株式会社パースペクティブ・メディア設立。代表取締役となり現在に至る。情報分析と情報表現のコンサルティングを手掛ける。ほかに株式会社エム・データ取締役など複数企業の役員を兼務