そして6月20日、ようやく「参院選、与野党党首がネット討論」がトップニュースになる。しかし、その報道占有率は13%。一般ニュースとそれほど扱いは変わらない。
この報道の大きさでは、なんとか「あ、参院選もあるのだな」ということを人々に知らせることができるレベルで、党首討論の議論の中味まで伝わるパワーはない。
都知事選の「暴風」のあまりの強さに、参院選の「風」は吸い取られてしまったような形になった。野党からすれば、「消費増税延期」でコブシを振り上げようとした瞬間に、後ろから突き飛ばされたような印象だったのではないか。
こうした状況の中で6月22日、参院選は公示となった。野党は「党首討論の回数が少ない」などと食いついて必死に情報露出の不足を補おうとした。
しかし、実際に過去データを調べれば、今回の参院選の党首討論の回数は、2010年の参院選(今回改選対象となっている参議院議員の前回選挙)の時より1回多かったし、党首討論を増やすまでしなくても、野党の主張を十分押し出す機会は十分あったはずだ。
なぜなら国政選挙では、期間中におおむね2回の週末がある。週末には必ず政党幹部同士が討論するテレビ番組が用意され、そこで重大な議論の応酬があれば、週明けからのテレビ・新聞報道や街頭演説に反映していく。
今回の参院選でも、第一週末の6月26日には各党政調会長クラスの討論が、第二週末の7月3日には同幹事長クラスの討論が放送された。
ところが今度はそのタイミングに合わせるように「突風」が吹いたのである。