日本人の「英語力低下」がよくいわれますが、それは国語力が下がっている結果だと思います

島地勝彦×マーク・ピーターセン【第2回】
島地 勝彦 プロフィール

シマジ むかしの日本人は漢文の勉強もしていましたから、国語力が身についていたんですが、いまの若い人の日本語はフラットになって、味わいがなくなったとわたしは思うのですが、マークさんはどう感じますか?

マーク いまの一般の大学生たちは、佐藤信夫くんの時代(20数年前)と比べても、やっぱり語彙の貧困が目立ちますね。それは若者が本を読まなくなったからでしょう。

シマジ それは英語の話ですか。日本語の話ですか。

マーク 両方です。英語力が下がっているといわれますが、それは国語力が下がっている結果だと思います。

シマジ わたしもそう思いますね。ただ英語に関してはわたしたちの時代よりいまの人たちのほうが、相当カルチベートされたんではないですか。

マーク そういう面はあると思います。たしかに聞き取りがよくなっている。DVDで映画を観たり、YouTube等で生の英語が耳に入る時間が増えた。それによって発音もよくなってきているんです。

むかしは英語に対するアレルギーというか、外人の前に出ただけで緊張する日本人がたくさんいたでしょう。そういう拒絶反応みたいなものはなくなりましたね。いまはもう外人コンプレックスなんてないでしょう。むしろいまの若い人は自分の覚えている英語を使ってみたいと積極的に思う人が多いでしょう。

シマジ マークさんが36年前に日本にきたころは、まだまだ外人コンプレックスだらけだったでしょうね。

マーク そうでしょうね。ちょっとした緊張感があったでしょう。英語のまちがいを気にする日本人が多くいましたね。ところがいまの若い日本人はよくしゃべるけど、片言で、しかも英文は読めなくなっていますね。

シマジ しゃべるけど読めない?

マーク 会話だとなんとか相手とやりとりが出来るんですが、彼らが英語で書いた文章はの多くは意味不明です。学生の書いた英作文をみると目に余るものばかりです。入試の採点をしていても基本的に英語の文法がわかっていないんですよ。ちょっとセンテンスが長くなるともう読めなくなる。

シマジ 日本人は中学・高校と英語を勉強しているんですが、マークさんからみるとまだまだ基本がなっていないということですか。